第5章 背中は遠い・・・?
えぴそーど104
ヒ「いやぁー、魔王より強そうな戦士たちまでたおしちゃったよ(*'▽')
破壊神まで呼べちゃうし、アタシたちもうなんでも出来そうだね( ̄▽ ̄)」
カ「調子に乗らないの!」
ヨッパラの行脚を重ねて少し疲れたな、と感じた一行は、豊かなイキリスの街で少々羽を伸ばした。
良い宿に泊まり、体の休息をはかる。ウインドーショッピングを楽しんだり、美味しいものを食べたりした。店にはあらゆる種類のものが並ぶ。
4人はたまには、別行動でそれぞれ好きなものを眺めにも行った。
宿に戻れば互いに見たものを報告し合うのだった。
カ「ねぇ聞いて!
今日街歩きの途中で占いババを見つけたから見てもらったんだけど、『近いうちに、橋のそばで理想のオトコを見つけるだろう』だってぇー♡」
ヒ「えぇー!
それアタシも言われたよΣ(゚□゚︎`)
花屋の横のヨボヨボの水晶玉のおババでしょ?」
ミ「わ、私も同じこと言われたわ(^▽^;)」
セ「セナも!」
カ「なんだぁ!ガッカリ。
やっぱ占いなんて当たりゃしないのね~」
一行「きゃはははは!」
カ「でもさぁ、ホントに4人のイケメンに立て続けに出会うって可能性もあるかもよ?」
ヒ「それでどうすんの?
カンナが男の胸に飛び込んでいって、『私もう旅は終わりにするわ、ばいばい!』って言うの?」
カ「そんな無責任なことはしないわよ。
4人もイケメンに出会うなら、そのうちの1人くらいは私たちの旅に着いてきてくれるかもしれないじゃない♡」
ヒ「えぇ~、イケメンを加入させて人気を得ようって戦略、キライなんだよねぇ~( ̄д ̄)」
カ「なんで作者目線なのよ」
ミ「旅と恋って、両立させるのは難しいのよね」
カ「はぁあ、イケメンに出会えるとしても嬉しいのかどうか、複雑なトコなのね」
ミ「それはすなわち、良い男に出会っても旅を優先するって意思に感じるわ」
カ「まぁね。そのつもりよ」
ヒ「えらいなぁカンナくん」
カ「仲間が抜けるかも、死ぬかもってフラグが立つと、悲しくなって先に進めなくなる読者が一定数いるらしいのよね。それってかわいそうじゃない。
だから『恋にかまけて離脱したりすることはないわよ』って、伝えておかなくちゃ」
ミ「あなたたち作者なの?(^▽^;)」
翌日。
ヒ「ヨッパラの5つの国を見たけど、それでもどこの国に投票すべきかってわからなくない?」
カ「まぁ薄々見えていた結果ではあるんだけどね」
ミ「それなら、第三国で意見を聞いてみたらいいんじゃない?」
ヒ「うん。もっともらしい口実だ」
そういうわけで一行は、さらに新たなヨッパラの国を目指した。
たどりついたのはフィラドンである。ヨッパラの北のほうにある国だ。
環境先進国、福祉先進国などと言われており、国民の社会意識は高い。今回の議題について意見を聞くのにもうってつけのように思える。
フィラドンの大きな街にたどり着いた。
ヒナタは驚く。
大きな街の真ん中に、スケートリンクがあるからだ!
そして大勢の市民がリンクでクルクルと踊って舞っている。
ヒ「うぉー、フィギュアスケート!?(∩´∀`)∩」
すると後ろから声がした。
女「うふふ。ヒボンの人じゃないの?
万年雪国ってわけでもないのに世界一層が厚いんだから、ヒボンってすごいわよね~」
ヒ「おや?」
彼女もフィギュアの麗しい衣装を着ていて、これからリンクに参戦するところのようだ。
ミ「まぁ、本当にお人形さんみたい!」
カ「フィラドンってたしか、世界有数のフィギュアスケート大国よね!」
ヒ「えぇ?でも表彰台に上がる選手あんまいなくない?」
女「うふふ。フィラドンの人は勝ち負けがキライなの。
楽しく踊ってるほうが幸せなのよ♪
4回転跳べる人は誰もいないけど、2回転跳べる人が100万人いるの♪
ほらリンクを見て?」
女性に促されるままにリンクに目をやると、たしかにみんなとても楽しそうだ。素人の集まりにしてはレベルが高すぎるが、プロの練習場にしては人の数が多すぎる・・・!?
女「私はキミィ。
いつかあなたの国のテレビにも映れるようにがんばるわ!うふふ♪」
彼女はそう言うと、軽やかにリンクに駆けていった。
ヒ「がんばりたまえ若者よ!( ̄▽ ̄)」
ミ「・・・ちょっと待って!
フィギュアスケートのキミィっていったらたしか・・・
世界で初めて4回転を飛んだ、フィギュアスケートの女王と呼ばれた名選手じゃないの!!??」
ヒ「えーーーー!!!!Σ(゚□゚︎`)
がんばりたまえとか言っちゃったよ( ̄▽ ̄;)
まさか今のセリフ、女王のくせにトボけて村娘Bを演じたということか!?」
カ「ほらヒナもああいう器になりなさいよ。アンタの場合村娘Bのくせに女王様を演じようとするじゃない」
ヒ「せっかくボケてくれたのにツッコめなかったなんて、一生の不覚・・・!!」
ミ「この国の人はホントに、フィギュアスケートを心からエンジョイしているんだわ・・・!」
観光をしながら宿屋を探したが、なかなか見当たらない。宿屋の少ない街であるようだ。
街の人に聞いてみる。
女「外国人があまりに大勢くると、国が荒れるからねぇ。この国は宿屋をあまり作らないのよ。
宿屋と言えば・・・セントラル駅のほうにオシャレなホテルがあるわ。
それと、もう少し郊外に出ると、橋を渡った先で大きなおうちがホームステイをやってるわ。
フィラドンの田舎の人はホームステイを好むけどね、まぁ外国人旅行者が好むとも思えないわね」
ヒ「ふうん。どうもありがとう(*'▽')」
ミ「宿を見つけづらい国なのね」
ヒ「カンナちゃん?橋の近くですってよ( ̄▽ ̄)」
カ「な、なによ?いつもは私の意見なんて聞かないじゃない。
ふん。橋の近くがなんだって言うのよ。
最近疲れてるんだから、オシャレな都会のホテルが良いんじゃないの?」
すると・・・
セ「セナ、橋のおうちがいい!」
カ「えぇ?セナちゃんがそう言うんだったら、まぁしょうがないわねぇ!
橋の向こうのホームステイだっていいんじゃない?」
ヒ「しょうがないなぁ。カンナがそう言うんだったら橋の向こうまで歩いてあげるよ」
ミ「しょうがないわね。つ、疲れるけど橋の向こうに行ってみましょう」
みんな何かが気になってソワソワしているようだ。