えぴそーど3
ヒナタは旅立ちの初手を理解した。かろうじて。
ルイーダの酒場に行って仲間を見つける。
貰った支度金で武器か魔法を買う。
意外と良心的な王様だ。それだけの準備があれば、スライムを倒してレベル上げするくらいのことはどうにかなるだろう。
ヒ「では王様、行ってまいります!」
王「あー、くれぐれも・・・」
ヒ「まだ何か?」
王「その金でコスメなど買わぬように!美容院で髪を染めぬように!
なんなら見張り役を付ける!」
ヒ「むしろ悪者みたいー(汗)
わ、わ、わたし、スートカー恐怖症なんですぅ;つД`)」
王「ヒナタよ。
その1000ゴールドは、国民の税金であるからな」
ヒ「は、はい!」
その言葉で背筋が伸びるヒナタだった。
ヒナタは決しておりこうさんではないが、人を傷つけることは好まない。
ヒ「うひゃー、1000ゴールドで強力なやつ買えだってぇ♪
やっぱ武器より魔法でしょぉ~(♡▽♡)
炎をババーンとか出せるワケ?アタシ本当に世界を救えちゃうかもぉ!」
ヒナタは上機嫌に、城下町へと引き返して歩いた。なんだ、冒険というやつは意外と楽しそうだぞ♪
手順を知らないから難しそうに見えるが、勇者たちがこんなふうに王や誰かから旅立ちのレールを敷いてもらってきたのだとすれば、大がらすをやっつけて海を越えるくらいのことは、どうってことないのかもしれない。
みんな旅立てばいいのに。みんな《メラミ》を使えるなら魔王にだって勝てそうなものだ。「そうだ!いつかアタシは旅立ちのためのガイドブックでも書こう!」そんなことを思うヒナタであった。