えぴそーど5
二人は酒場を出た。
昼間のまぶしい陽光を浴びながら城下町を歩く。
カ「あら、明るいところで見たらヒナタってスタイル良くて可愛いのね」
ヒ「そんなどうでもいい話してる場合じゃないんですよ!」
カ「いやアナタに言われたくないわ(汗)」
ヒ「カンナ、この街の魔法屋さんってどこにあるか知ってます?」
カ「タメ語でいいわ。
魔法屋?もちろん知ってるけど」
ヒ「アタシ王様から餞別のお金貰ったの。
良い武器か、それか魔法を買えって言われたんだけど、ダンゼン魔法のほうがイイと思って♡」
カ「ふうん。ヒナタは魔法使いになりたいの?」
ヒ「ヒナって呼んでくださぁい♡
魔法使いっていうか・・・武器よりはメラメラの魔法で戦いたいなぁって。
でも魔法使いよりも僧侶になりたいなぁアタシ。
そしていつかは口臭を消す魔法を開発して世のためになるんだ!( ´∀`)b」ヒナタは勇ましくガッツポーズをした。
カ「何言ってるのあなた(汗)
僧侶目指すのもいいけど、とりあえず魔法使いの攻撃魔法を覚えたほうがいいんじゃない?回復魔法は私も少し使えるし」
ヒ「そう!だから魔法屋さんに行きたいの!」
カンナはヒナタを引き連れて歩いた。
ヒナタは思春期の好奇心からそれなりにこの街の裏側も歩いたつもりでいたが、カンナはそんなヒナタの知らない世界をも知っているのだった。城の兵士や戦う者たちは、スーパーや八百屋とは違う場所に出入りするものなのだ。
表通りの武器屋には《銅のつるぎ》や《皮のよろい》くらいしか置いていないが、裏通りにはなるほど、もっと良い武器も扱っているのだった。そして、魔法屋なるものもある。
カ「はぁい。この子に何か攻撃魔法を伝授してあげてくれる?」
カンナは物おじせずに、魔法屋の店主に話しかける。ヒナタはカンナの陰に隠れてオドオドしている。
ヒ「ど、どうも。王様から1000ゴールド貰ったんです。これで何か中級魔法が買えるって聞きました!」
カ「自分で言えるじゃな~い」
ヒ「そんな子供じゃないってば!」
店「あぁん?1000ゴールドじゃ話にならんぞ。
《メラミ》と《ヒャダルコ》、《バギマ》、《ベギラマ》は9万ゴールドだ。
《イオラ》は12万ゴールドだぜ」
ヒ「うん?(・∀・)」ヒナタは「よくわからない」という顔でカンナを見上げた。
カ「《メラミ》は敵一体に火球をぶつける魔法。
《ヒャダルコ》は氷の刃をぶつける魔法。
あとはまぁ色々よ」
ヒ「一番つよいやつぷりーず(∩´∀`)∩」
店「だから1000ゴールドじゃハナシにならんってばよ」
ヒ「えぇ!王様はこのお金で中級魔法が買えるって言ったのに!
アタシ王様にだまされたの!?
くそぅ奴め!退治してやる!(ꐦ°᷄д°᷅)」
カ「王様の命を受けて冒険にいくんでしょ!」
店「《メラミ》と《ヒャダルコ》、《バギマ》、《ベギラマ》でも9万ゴールドだ」
カ「なんか桁が2つ違うようだけど」
店「なんか特別なモン授かったんじゃねぇのか?そうは見えねぇけどよ」
ヒ「うん?あぁ、他にも貰った!
イブさんローレシアの香水!!」
店「臭ぇよ!」
ヒ「あぁ!コレ?《近衛兵の証》!」
店「それだ。それを持ってるヤツは1/100のプライスで売ってやるんだよ。
ただしそれが通じるのはこの城下町の裏通りだけだぜ」
ヒ「ふうん。やったぁ♪」
カ「とにかく魔法を選びなさいよ」
ヒ「うーん。よくわかんないだもん(;・∀・)
《ヒャダルコ》ってなんか聞き覚えがあるような?」
カ「そうよ。私が得意なやつ。
同じ魔法使ってもしょうがないから、ヒナは《メラミ》にしておけば?」
ヒ「そうするー!火でババーンとやっつけるぞぉ♪」
店「よし、じゃぁ900ゴールドいただくぜ」
ヒナタは《メラミ》の魔法を伝授してもらった!
ヒ「あれ?魔法のステッキは??」ヒナタは不審な顔で店主をにらみつけた。
店「おめえさんが買ったのは『魔法』だろう。『杖』は売ってねぇよ。
杖が欲しいんだったらカネ貯めて武器屋で買いな」
ヒ「えぇ~だまされたぁ;つД`)」
店「だましてねぇよ!」
カ「あははだまされてないわよ。
ていうか杖持ってることより魔法使えることのほうがすごくない?」
ヒ「あ、そうかも(∩´∀`)∩てかアタシもう魔法使えるの?」
カ「使えるわよ♪《メラミ》!って叫んで撃ってみなさいよ」
ヒ「えぇ、やったぁ!
むむむぅぅーーん、《メラミ》ぃぃぃ!!」
ババーン!!
なんと魔法屋のドアを破壊してしまった!!
ヒ「やばぁーー!!!」
店「おまえに1000ゴールド貸し、な(怒)」
ヒ「ごめんなさぁーい(*´Д`)」
カ「私・・・ちょっと未来が視えるわ・・・
ヒナ、これから二十軒ばかしはあちこちでボヤを起こすんでしょうね・・・(汗)」
ヒ「あは。燃えたものをもとに戻す魔法ってないの(;・∀・)」
カ「あなたの一生を捧げて、それを発明することね!」