エピソード127
アミンは拳を握りなおした!
ア「おいテカテカ!!」
アミンは大声でテパネカを挑発した!
ア「キキが起きたら、お前は負けるぞ?」
テ「まだ虚勢を張るか。まるで悪者のようだな。見苦しいものだ」
ア「虚勢なんかじゃないさ!
そして僕はキキの次に強い!キキと二人並べていいのか?」
テ「なるほど。まぁ殺しておくか。わしはバカじゃない。
残りの女は使い道が色々あるしな」
ア「窮鼠猫を嚙むだ!!
うぉぉぉぉぉぉ!!!」
アミンはオノを両手で大きく振りかぶり、テパネカの懐に勇ましく飛び込んでいった。
テ「威勢でどうにかなる戦力差ではない。
太陽の炎で、派手に散れ」
テパネカは迫りくるアミンに向けて両手を構え、魔力を集中した!
テ「ぬぅぅぅ、メラマー・・・」
ア「《マホカンタ》っっ!!!」
アミンは途中でオノを投げ捨て、両手を眼前に突き出し魔法を唱えた!
なんと、光のカベがアミンの前にあらわれた!!!
ドドドドドドドドドド!!!
テパネカの放った無数の炎弾は、なんとすべてテパネカに跳ね返った!!!
ドゴォォォォォーーーーン!!!!
テパネカは、跡形もなく消え去った!!
な「やったぁ!!!」
ゆ「すごい・・・!!」
ア「まだ安堵は出来ない!
すぐにこの街を離れるぞ!」
アミンは死闘を終えたのも束の間、キキを抱え2人を引き連れ、宿ではなく馬車に向かった。そして夜中のうちにコスタールを離れるのだった。
馬車はすごいスピードでコスタールを遠ざかっていく。
ゆ「・・・そっか。
悪者をやっつけたけど、あの街の人にとっては私たちが悪者だものね。
英雄をやっつけられて、ますます恨まれるだけ・・・」
街からすぐに逃げ出した理由を、ゆなもすぐに察した。
な「それにしてもアミン、すごい魔法だったねぇ!!
あいつの《メラマータ》よりもすごい魔法、使ったの??」
ア「いやぁ、僕の魔法が強かったわけじゃないよ。
あれは《マホカンタ》って言ってね。敵の魔法をそのまま跳ね返すことが出来るんだ」
ゆ「喰らったら誰も生き延びられない魔法を、テパネカは自分で喰らった、と」
な「あ!柔道でもそういう考え方すること、あるかも?」
ア「そうだな。ななは時々そういうふうに戦ってるよね」
な「えぇ?わたしは出来ないよぉ」
ア「ははは。無意識でやってるんだ。
基礎練習をちゃんと積んできたんだろうな。体に染みこむほど」