エピソード134
人魚の少女は穏やかな顔をしている。
エ「人間に対してあまりに浅はかだったことが、わかりました。
母がなぜあんなものすごい剣幕で怒ったか、それもわかる気がしました。
圧倒的に愚かなことなのだろうと、わからないけれどわかります」
キ「良かった・・・!」
エ「でもわたしは、やはり死ななければいけないかも・・・」
な「どうして!?」
エ「母に愛想を尽かされては、仲間に愛想を尽かされては、一人では生きていけません。
それならいっそ、もう死んでしまいたい」
キ「大丈夫よ♪」
エ「え!?」
キ「あなたの恋心が醒めたなら、大丈夫♪」
エ「どうして!?」
キ「あなたのママはあなたが嫌いになったわけじゃないの。
あなたが人間に、しかもクソ人間に恋しちゃったから、危ないから怒ったのよ!
すごい剣幕で怒ったのは、大嫌いだからじゃないの。
すごく危ないから、すごい剣幕で怒っただけよ。
あなたがその恋の危険を理解して、もう興味を失ったなら、ママはもう怒らないわ♪」
エ「本当ですか!?」
キ「本当よ♪150%ホント!!」
北の岩場に人魚たちの棲み処はあるという。
一行はエルに付き添って、母親のもとへと連れ帰った。
人魚の群れを見つけると、まずはキキが母親に事情を話した。
母親はやはり、もう微塵の怒りも持たず、九死に一生を得て帰ってきた娘に涙した。
母親はエルを抱きしめ、二人は無事に仲直りをした。
ゆ「良かったぁ♪」
な「てゆうか人魚さんがいっぱいー!!」
ア「あまり騒ぐな。人魚は男だけじゃなく人間自体を怖がってるはずだ」
な「わ、わたし天使ちゃんですけど♡」
ア「そうだけど、今は人間だ」
母「ありがとうございます。
私たちは、あなた方との距離感を上手く計らなければなりません。
これからは毎日お友達、というわけにもいかないのが実情です」
な「えぇー、残念(泣)」
ゆ「受け入れます」
な「少しは、お話できますか??」
母「えぇ、少しはお話しましょう」
ゆ「本当に人魚がいるなんて、今でも信じられないわ!」
な「人魚さんは人間に隠れて住んでいるの?」
母「はい。人魚とは、人間から姿をくらませながら人間を助けるのが使命です」
な「つ、ツンデレ(汗)」