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エピソード14『世界樹 -妖精さんを仲間にするには?-』

エピソード14


な「ねぇ今、どこを目指して歩いているの?」ななはアミンに問いかけた。

ア「《やくそう》づくりの得意なドワーフの里が、この辺にあるはずなんだ。

 昔行ったことがあるよ」

ゆ「そうよ!体を回復できなきゃすぐに死んじゃう!」

アミンは、森の中の様子を見ながら右に折れたり左に折れたりした。

木の実を拾った形跡や、花を摘んだり植えた形跡、木の枝を折った形跡・・・よくよく見ると森の中には、人(?)の気配が少しある。そうした形跡が増えてくると、やがて新たな里に行きつくのであった。



―ノビスの里―

アミンは、尻込みすることなく里の入口に立った。

里の住民が物珍しそうにこちらを見た。

住「おまえ、ドワーフか?」

ア「そうだよ。南のワフルの里の者だ。昔、この里に来たことがあるよ」

住「まだ子供だな。親は?」

ア「え!・・・っと、この人たちは大体成人してるよ(汗)」

ゆ「あ、どうも」どう挨拶してよいものか、よくわからない。

住「人間じゃないのか!?」

ア「そうだけど、悪いヤツじゃないよ。一人を除いては」

住「《やくそう》が欲しいのか?余計なことはするなよ」

ア「わかってるさ」

少々の尋問はあったが、里に入ることは出来た。アミンがいなければこうはいかなかっただろう。


ノビスの里は、アミンの里よりも多くの花が咲いていた。森の中なのに色がある。

ゆ「お花って、日向じゃないと育たないのかと思ってた」

ア「育て方次第だよ」

な「かわいいお花♪」ななはどこに居たって、花が美しければご機嫌だ。


アミンは里をキョロキョロと見渡し、《やくそう》や花が色とりどりに並んでいる商店のようなものを見つけて近寄った。

ア「やぁ、隣の里のもんだけどさ、《やくそう》を少し分けてもらえないかな」

店「おやまぁ。自分の里ので充分だろ?なんでこんなところまで?」

ア「ワフルのは弱い《やくそう》ばっかりさ。もう少し強力なのが欲しいんだ。ここは《やくそう》名人だろ?」

店「そんなに遠出をするつもりなのか?」店主はまゆをひそめた。

ア「そ、そうだよ(汗)」

店「ふぅん。まぁ咎める義理もないね」

ア「ほっ!」

店「はい。じゃぁ4人分だろ?全部で8つ。48ゴールドだ」 ※1ゴールドは約100円

ア「えぇ!?お金とるのか!?」

店「おまえの分は取らないさ。

 でもお連れさんは人間だろう?人間にはタダではやらんよ。何の協力関係もないもの」

な「えぇー!?」

ゆ「た、たしかに・・・」

ハ「ケチだな!」

ア「口を慎めよ」ハヤトを制した。

店「6×8で、48ゴールドだ。この品質の《やくそう》が8ゴールドで手に入るだけでもありがたいと思わなくちゃ」

ア「まぁそうだけど・・・」

な「お金を、手に入れなくちゃ?」

ゆ「何か、お仕事を分けてもらえませんか?皿洗いとか」

店「仕事?そんなもんないね。村人だけで事足りる」

ハ「モンスターを倒して稼ぐしか、ない・・・!」

ア「そうなるね」


しかし今日はもう、日が傾き始めていた。暗い森にはトラウマがある一行だ。

ハ「ドワーフの里には宿屋とかないのか?」

ア「あったりなかったり。宿屋がなくても民家に泊めてもらうからなぁ。普段はあんまり気にしてないよ」

ドワーフだけならまだしも、人間を3人も引き連れたパーティーを民家が泊めてくれそうにもなかった。アミンは里の者に宿屋はないかと聞き込みをした。はずれに一軒ある、と情報を得た。

な「良かったぁー!」


宿「うちの里は《やくそう》を求めにくる余所者が多いからね。宿屋の1つもないとさ」

宿屋は得意気に言ったが・・・

宿「3名様で、12ゴールドだ。そっちはドワーフだろ?タダで泊ってけ」

な・ゆ・ハ「えぇーー!?」

な「わ、私たち、お金を持ってないんです・・・」

宿「嘘だろ?たった12ゴールドもか?」

ハ「クレジットカードで払えるか?エンドール円なら50万円くらい入ってるぞ」

宿「なんだそれは!」

ゆ「エンドール円も、カードも通用しないわよねそりゃ・・・」

ハ「そうだ!さっき倒したデスジャッカルが宝石を落としていったろ!オレ、ちゃんと拾ってきたぞ!」

宿「どれどれ?ふーむ。1ゴールドだな」

な「ど、どうしよう・・・」

ア「後払いで、どうにかしてくれないか?

 明日払うよ。僕のぶんも払うから、16ゴールド払う」

宿「うーん。後払いなんて前代未聞だぜ」

ア「そこをどうにか!

 明日には払えるよ。どうせ明日はゴールド稼ぎに時間を費やすんだ」

宿「うーん。まぁドワーフが言うならいいだろう。

 おまえさんたち、ラッキーだったな!」

な・ゆ・ハ「あ、ありがとうございます!!」


ようやく部屋にありつけたが、宿の設備は最低限の粗末なものだった。

ハ「おい、コレってホントに『最初の村』の貧相な宿屋じゃねぇかよ!」

ア「文句言うなら野宿してきな。屋根とベッドがあるだけでもありがたいと思わなきゃ。 

 そう思えないなら、旅なんか続けていらんないぜ?おまえの国のようにハイテクな町なんて、ほとんどありはしないんだ」

4人は食事をとり、しばしの休息を得た。



朝起きると、ベッドにアミンの姿は無かった。

ハ「アイツ、逃げ出しやがったな!」

ゆ「どこに行ったのかしら!?」

な「どうしよう。お金払わなくちゃいけないのに・・・」


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