エピソード157
キキはジロっとエビルプリーストを睨みつけた。
キ「最後はみんなで戦いたいの。協力してくれる?」
3人は力強くうなずく。
キキの背後には、さっきの天使たちが光の粒の姿となってキラキラと輝いた。
キキは両手を構えて魔力を集中させる。
キ「山よ、海よ、花よ、宇宙の無数の精霊たち。そして新たな天使の友人たち。
精霊ルビスの御名の元、今こそ我に力を与(くみ)し賜え。
ただただ不届きものを滅したい、我と心を揃え賜え。
聖なる雷(いかずち)は龍のごとき軌道を辿り、ただ悪を消滅す・・・
悪を滅ぼせしは、魔力に非(あら)ず。
我はそれを悟りし者・・・!!
《ミナデイン》(偽)!!!!!」
ピシャーーーーーーーー!!!!!
キキが魔法を唱え終わるか終わらないか、瞬く間に空から龍のごとき雷が飛来しエビルプリーストを直撃した!!!
避けるという思考すら与えぬ早技だった!!
ドゴォォォォォ―――――ン!!!!!
しかし、エビルプリーストのみならず世界樹そのものを、雷は突き刺していった!
バリバリバリバリ!!!
すさまじい音を立てて世界樹の塔は崩壊していく!!!
一行は崩壊に飲まれ地上に投げ出されてしまう!
な「うわーーーー!!」
ゆ「きゃぁーーーー!!」
ア「く!どうすれば!!!」
キ「ちょっと待ってて!
《ドラゴラム》!!」
キキはさきほど長老から伝授(解放)された《ドラゴラム》を唱えた!
キキの体はみるみる大きな白銀のドラゴンへと変形していく!
バサっ!
ドラゴンは翼を広げて空を掴むと、急降下し仲間たちと馬をかっさらって、背中に乗せた!
ドドドドドドドド!!!!
世界樹の塔は崩壊し、雪崩のように砂漠を這って流れていった。
しかしその災害は、この砂漠を包む四方の岩山のお陰でその内側までで被害を留めるのだった。
大丈夫。シルヴァヌスたちはもうこの岩山の外に避難を完了していた。
世界樹という大きな犠牲だけに留めて、闇の支配者は滅された!