エピソード191
山小屋の中でお茶を飲んで休憩をすると、早速修行の開始だ。
バ「はい。まずは槍でオークを100匹倒してきて!」バーバラはれいに、ボロボロの槍を手渡した。
れ「えー!ま、魔法の特訓ではないのですか・・・?」
バ「もう!『魔法の特訓』じゃなくて『最強の魔法使いになるための特訓』だってば!
そのためには戦士並みに体が強くなったほうがいいし、打撃戦にも強くなったほうがいいの」
れ「剣はある程度使えますけど・・・」
バ「そう?それはいいことだわ。
じゃぁ剣はイイってことにしましょ。
これから毎日日替わりで、色んな武器の特訓!えーと、
月曜日は槍、
火曜日は斧、
水曜日はムチ、
木曜日はハンマー、
金曜日は弓、
土曜日は爪、
日曜日は鉄球ね」
れ「あ!デイジーが似たようなことを言っていました!」
バ「そうでしょ?じゃぁ私が変なこと言ってないって、わかるでしょ?」
わかる。魔法使いの修行としては常軌を逸しすぎているが、強い冒険者になるためのレッスンとしては決して間違っていないことがわかる。ものすごくゴールが遠いが・・・!
戦士としてもそれなりに戦える自負があったれいだが、槍でオークと戦うのは想像以上に大変だった。しかし相手がオークというのも考えられている。オークとは、二足歩行で歩く猪のような魔物だ。槍を器用に操って戦う。だから、槍で攻撃をしながら、槍の使い手がどのように動くのかを実践で学べる。
オークと2時間もの死闘を繰り広げて戻ってくると、
バ「じゃぁ今度はランニングね!
適当に山を夕暮れまで走ってくるべし。まぁ4時間くらいかしら」
れ「よ、4時間・・・!」
バ「なんで走らされるか、わかるでしょ?」
れ「体力を、付けるため?」
バ「正解ー♪
これとっても重要なのに、意外とみんなやらないのよねー。ダルいからねー。
でもだからこそ、この地味な訓練を重ねた魔法使いは強くなるわ」
れ「は、はい・・・!」
バ「はい」バーバラはれいに、《聖水》を振りかけた。
バ「とりあえず今日は走るだけでOK。魔物とは戦わなくていいからね♪」
「とりあえず今日は」ということは、いずれはランニングしつつ魔物とも戦わなければならないのだろうか・・・!
ランニングを終えて帰ってくると、バーバラは夕飯を出してくれた。
バ「今日はあんまりやらないわ。でも食べ終わったら寝る前に座禅瞑想ね」
座禅瞑想をしている間に、眠ってしまったれいだった。
Comments