エピソード200
マスタードラゴンは天空城の2階のテラスへと着陸する。
着陸と同時に楽団は、勇ましいセレブレーションを奏ではじめた。そして天空城の住民たちが祝福に出てくる。
わー!パチパチ!
れいさん、ばんざーい!
デイジーさん、ばんざーい!
マ「宴は後だ。先に少し話をしよう」
王の間へと移る。
マ「さて、二人を讃える言葉を送る者として、精霊ルビスと私と、どちらがよいだろうか?そなたらが望むなら女神も語るだろう」
デ「マスタードラゴンのほうが気が合いそうだが」
マ「ははは。ルビスとてそう神経質な者ではないのだがな。
それぞれに役割があって威厳を演じるのだよ。まぁよいんだ。
さて・・・改めて・・・
世界人類を滅亡せんとする魔王を討ち破ってくれたこと、心から感謝申し上げる。
ありがとう。そしておめでとう」
デ「めでたいこともないだろう」
マ「救う価値もない人類だ、と言いたいのだろうが・・・
そなたらが救ったのは、人類だけでない。その素晴らしく美しい、楽しい惑星もだ。
それを異星の者に奪われなかったのは、そなたらにとってめでたいことではなかろうか」
れ「きっとその通りです!
私はローズのような偉大な魔法使いになること以上に、世界を見たくて旅立ちました」
マ「そうだろう。
それでよい。人類を救うかはどちらでもよい。
悪は何度でも現れるし、他人に他人は救えないのだからな。
さて・・・これからどうする?
れいは故郷に帰るか?送り届けてやれる」
れ「私は・・・サントハイムには居場所がありません」
マ「その件は心配無用だ。随分前のことだから覚えているかは定かでないが・・・
フレノールの町の町長が、正義ある冒険者たちをサントハイム城に送り込んだ。れいが町の中で話した者たちだ」
れ「覚えています!
町長さんに、冒険者たちに用事を頼みたいから呼んでくれと言われました」
マ「そう。その用事というのは、れいの無罪を晴らすことだったのだよ。
彼らは大臣の正体を暴き、サントハイムに平和をもたらした。れいの無罪を晴らした」
れ「そうだったのですか・・・!
マ「無理に故郷に凱旋する事もないがな。
天空城に留まるのもよい。皆歓迎するだろう。ガーデンブルグなどに暮らすもよい。
まださすらいたいならそれもよい」
れ「少し疲れました。しばらく天空のお城に居てもよいですか?」
マ「もちろんだ!みんな喜ぶ」
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