エピソード60
そこからは、なだらかな傾斜を描きながら、道とも言えぬ道が続いている。崖をよじ登るよりは随分マシか。そうだが、灼熱の太陽がジリジリと照り付けてくる。決して良くない足場の中を、はっはと息を切らしながら登る。
数百メートル歩いただろうか。らせん状の山道は、歩いた距離に対して高度はそう稼げていない・・・。登山に慣れた人間にとっては当たり前のことだが、初めて登山に挑戦するセーニャには途方もないことに感じた。
なんとそこで、山道は行き止まりとなった!
3人「えっ・・・!」
どういうことだ!?3人は青ざめる。セーニャは一層青ざめる。
デ「待て、石板があるぞ」
セーニャは瞳に掛かる汗を拭きながら、石板の文字を読む。
セ「かみさま・・は・・・ときどき・・・うそをつき・・ます」
セ「えぇ!!」セーニャは目に涙を浮かべ始める。
デ「なんだと?試練は嘘だったといいうのか!?」
セ「うわーん!」セーニャはれいに抱き着いて泣き始めた。
れ「待って!まだ文字があるんじゃない?
もっと長文に見えるよ?」
セ「は!」そうだ。セーニャは途中までしか読んでいなかった。
デ「落ち着くんだ」
セ「かみさま・・は・・・ときどき・・・うそをつき・・ます
ここから・・・は・・・あなたひとり・・・しか・・はいれま・・せん」
れ「どういうこと!?」
セ「う、う・・・」セーニャはまた涙ぐんでしまった。起死回生になっていない!
デ「試練の存在が嘘というわけではない。
3人で山を登っていたあの壁画が、嘘だったという意味だ。
いいや、ここまでは3人で来ても良かったのだろう。しかしここからは・・・
オレたちが助けることは出来ないのか・・・」
れ「でも行き止まりよ?」
デ「これだろう」石板の上には、砂埃でくすんでいるが、赤い丸い宝石が埋め込まれている。
デイジーが手をかざす。が何も起きない。
デ「セーニャ」デイジーはセーニャを促す。
セーニャは手を震わせながらも宝石に手を伸ばす。
手をかざす。が、何も起きない・・・。
デ「触ってみろ」
セーニャは恐る恐る、得体の知れない宝石に手を触れた。すると!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・!