エピソード84
な「おじいさんは、どうしてこんなところに住んでるの?」
マ「ふぉっふぉっふぉ。街より山のほうが楽しいからじゃよ」
な「『ひゅるキャン△』見過ぎたんじゃないのぉ?」
マ「ふぉっふぉっふぉ。その前からじゃよ。
わしは『ふしぎな島のフローネ』を見て自然の中での暮らしに憧れたんじゃ!」
ゆ「日の光も浴びずに、洞窟の中で生きられるんですか?」
マ「魔力があればな。
極論を言えば、メシも要らん。魔力があればな。
その気になれば、魔力によって何でも生成できる。
人間にはまだ、それほどの魔力は開示されんがな」
な「魔力があっても、ケーキ食べたいなぁ」
マ「ふぉっふぉっふぉ。それなら街で暮らすことじゃよ♪
街で暮らしたって良いんじゃよ。洞窟を探検するたくましさがあるならな!」
ゆ「そろそろお暇(いとま)しましょ。
なんか長居しては失礼な気がするわ」
マ「あー待て待て!ちっとは大事な話もせねばならん」
ア「え?」
マ「人間と、ドワーフと、エルフ。良いパーティじゃな♪
そう。そろそろ妖精たちが立ち上がらなければならん。少し成長が遅い」
キ「お説教なら聞かないわよ?」
マ「いやいや、そういうつもりもない。
おぬしら、あまり戦いたくもないのじゃろう?」
ア「えぇ、まぁ」
マ「闇を払い、世界の真相を知りたいが、戦いたいわけでもない」
ア「ワガママでしょうか(汗)」
マ「世界樹を、目指しなさい」
4人「え?」
マ「いいか?もう1度しか言わんぞ?
『世界樹を 目指しなさい』
ゆ「世界樹・・・!」
マ「人間のお嬢さんはどっちでもえぇんじゃ。
妖精の二人に言ったつもりじゃ」
な「でもわたしたち、一緒に旅するよ?」
マ「それでよい。ふぉっふぉっふぉ!
では、達者でな!」
一行は洞窟を引き返し、城まで引き返して馬車を走らせた。
ア「それにしても、山の神だってさ!ドワーフも山を守る妖精だと自負してるけど、山の神だとかロゴスとか、初めて聞いたよ」
な「海の神とかもいるのかなぁ?旅してればいつか出会えるかも?」
ゆ「モンバーバラの踊り子たち、『海の神に祈って踊る』とか言ってたわ」
キ「うふふ♪実はぁ・・・」
な「実は??」
キ「キキちゃんが、花のロゴスなのでしたぁ♪」
な「えぇー、ウソでしょぉ!?」
キ「うふふ。ウッソぉ♪」
な「なんだぁ~」
ゆ「ってことはもしやホントなのでは!?」
キ「うふふ。ホントぉ♪」
な「えぇ、どっちー!?」
その実、キキはこの惑星における花のロゴスなのであった。彼女は、人間の乱暴によって花たちが受ける苦しみのすべてを共有している。その苦しみを誰にも見せずに生きている。