第55章 はぐれメタル
イベントは完全に終わった。翌日再び王のもとへ訪れてみると、王の言動は変わっていた。
王「遥か北の地、険しき山のその先に、世界樹という大きな樹があるという。
その植物には絶大な治癒効果があるらしい。
編成された精鋭部隊はこの秘薬を求めて旅立った!
それ以外の者たちが個別に訪れてもらっても、一向にかまわない。任務が成功すれば報酬も弾む」
リ「良い王様なのかなんなのかよくわからないわ。
でもとにかく世界樹を目指す必要がありそうね」
そう解釈すべきなのだろう。スタンシアラの水路でいつまでも遊んでいるわけにもいかない。
リオはまた情報が必要だと察し、城を引き返しながらあちこちの人に声を掛けた。
兵「高き山々を越えるには、ロンダルキアの洞窟を抜ける必要がありましょう。
その洞窟はとても長く険しく、モンスターも凶悪だと聞きます。
だから王は精鋭部隊を募ったのでしょう」
明らかに戦力強化が必要だった。武器を1つ買う程度では済みそうもない。
「地道にレベル上げをしよう」そういう結論になった。
二人はスタンシアラの外に出て、モンスターと戦うことにした。
《はぐれメタル》が2匹現れた!

リ「やったぁ《はぐれメタル》だわ!」
マ「かわいいー♡」
リ「可愛いとかじゃないのよ!経験値をものすごくくれるの!
でもその代わりしゅび力が硬くてダメージが通らないし、呪文も効かない!
あぁ~んまだメタル特攻の武器とか持ってないし!
さてどう戦うか…」
二人がまごまごしている間に、《はぐれメタル》Aは飛び掛かってきた!
マナに16のダメージ!!《やいばのよろい》の効果でダメージが跳ね返り、《はぐれメタル》Aにも5のダメージ!《はぐれメタル》Aをやっつけた!
マ「え…!?」
リ「でかした!マナ!!」
もう1匹の《はぐれメタル》には逃げられてしまったが、見事1匹の《はぐれメタル》を倒すことが出来た!二人は10050の経験値を獲得!リオは、満面の笑みでマナの肩を叩いて言った。
リ「魔女っ子みたいな服を着たい気持ちは重々わかっておりますですが、《はぐれメタル》が出現するエリアではしばらくその《やいばのよろい》着ててね!」
マ「うぅぅ~(汗)」
しかし、実際この裏ワザみたいな《はぐれメタル》退治のおかげで、二人のレベル上げは非常に効率よくはかどるのだった。二人はレベルを5つも上げた。《バギクロス》、《フバーハ》、《ベホマラー》を覚え、二人は明らかに強くなった!
『僧侶だけで魔王を倒すには?』