極めたる者

レッドを極めた人は

「何でも好きなようにしていいよ」と言われて

スキップしながら生贄の祭壇へと登っていく人だ

ピンクを極めた人は

生来のワガママがエスカレートし

大富豪のパパに

「あらゆる民の幸せ」をおねだりしている

コーラルを極めた人は

太陽の真似をして、

世界中の人々と愛人関係を結んでいる

オレンジを極めた人は

セックスを楽しんでいるうちに

外界の全ての問題は解決してしまった

ゴールドを極めた人は

民に自由を強制している

イエローを極めた人は

彼が校庭で遊んでいるのは

授業をサボっているからではない

最も難しい参考書の最終問題が

「校庭で遊べ」だったからだ

オリーブグリーンを極めた人は

究極の勝利のために

不戦敗を選択できる人だ

グリーンを極めた人は

誰にでも合わせることが出来るが

誰にも迎合しない人だ

ターコイズを極めた人は

どの家も彼が遊ぶには狭すぎたので

「世界」に住むことに決めた人だ

ブルーを極めた人は

最短で到着するためには

帆掛け舟が一番早いことを知っている

ロイヤルブルーを極めた人は

一人になりたくて家に閉じこもり

電気を消して布団をかぶり

目を閉じてじっとしていたら

そこで太陽と出会ってしまった

バイオレットを極めた人は

奉仕したいと願うほかの人のために

自分は「奉仕される側」という奉仕を選んでいる

クリアーを極めた人は

１つの人生だけでは物足りないので

鏡になってみることにした