CHAPTER 22
一行は船着き場の喧噪から離れた。
他に何か情報はないだろうか?やるべきことはないだろうか?
武器の新調もしたいと思い、町の武器屋を覗く。
武「ここは武器の店だ。いい武器が揃ってるぜ!」
サ「ホントだ。見たこともない武器がいっぱいだ」
一行は物珍しそうに物色を楽しむ。
武「貿易港は物騒だからな。豪華な船は狙われやすい。魔物にも悪党にも。
だから強力な武器が必要になるってもんよ」
サ「これなんかイイな!」
サマルはブロンズ色に輝く美しいヤリを手に取った。《砂塵のヤリ》だ。
武「兄ちゃん玄人だねぇ~。
そいつは道具として使うと《マヌーサ》の効果があるぜ!敵を目くらましできるんだ」
そんな矢先のことであった。
ボーーン!何かが爆発する音がしたかと思うと、聞き覚えのある叫び声がした。
「ひえー!」
ロ「あれは!」
サ「さっきのワンワンじゃないのか!?」
一行は再び船着き場に駆け戻った。推測通りの事態だった。
ワンという富豪は、魔物に捉えられてもがいている。見たことのない強そうな魔物だ。魔王の手先であると思われる!
サ「ローレ!君は武器屋に戻ってくれ。
あの物騒なオノを買ってくるんだ!」
ロ「オノを?でも…」
サ「いいから!
ここは僕らで食い止める!早く戻ってきてくれよ!」
ロ「わかった!」
サマルは魔物に向かっていった!
サ「ムーン!君もこっちに援護を!」
ム「わかったわ!」
サ「やっつけなくていい!ローレが戻るまで時間を稼ぐんだ!」
いかにも手強そうなナイトリッチが2匹あらわれた!
サ「てやーーー!」サマルは、ワンを捉えているナイトリッチAに先制攻撃を仕掛けた!
ワンを捕える敵の手元にピンポイントでヤリを突き刺そうとした!
ナイトリッチは不意打ちにおののき、身をかわしつつも思わずワンから手を離した!
ム「《バギマ》―!!」ムーンは間髪入れずに《バギマ》で続く!
ナイトリッチA、Bは取り乱している!が、威勢よく反攻に転じてきた!
「《バギマ》!」ナイトリッチAは《バギマ》を唱えた!
サ「うくく!」二人は気圧される!
ム「私の《バギマ》より強いわ!」
ナイトリッチBは立派な剣でサマルに襲い掛かってきた!サマルは全力でヤリで受け止める!
ム「まずは《マホトーン》で《バギマ》を封じる?」
サ「それも悪くないが、ムーンはワンワンの近くにいるやつに《ルカニ》だ!守備力を下げよう」
すると、ローレが《バトルアックス》を抱えて戻ってきた!
ロ「待たせた!」
サマルはローレに駆け寄ると、素早く耳打ちした。
サ「ワンワンの近くにいるやつに渾身の一撃をお見舞いしてくれ!
『覇王斬』とかなんとか叫びながらやるんだ!」
ム「《ルカニ》ー!」ムーンはナイトリッチAに《ルカニ》を唱えた!ナイトリッチAの守備力が下がった!
ムーンはローレに「今よ!」と目で合図を送る!
ローレは全力でナイトリッチに向かっていき、思いきり跳び上がった!
ロ「覇王斬ーーー!!!」
ガキ――――ン!!!凄まじい一撃が敵を襲った!
ナイトリッチAをやっつけた!!
ミ「やったぁ!ローレ様ぁ!!」
ナイトリッチBは仲間の死にひるんでいる!
ナ「おのれ!《イオラ》!!」ナイトリッチBは《イオラ》を唱えた!
まばゆい爆発が辺り一面を包み込む!巻き起こる噴煙に乗じて、ナイトリッチBは逃げ出してしまった!
ワンは腰を抜かして茫然としている。
サ「大丈夫ですか!」サマルはワンに駆け寄って介抱をした。
ワ「はぁ、はぁ、はぁ、どうも。どうもどうもアル」
サ「大富豪の船旅は何かと危険です。護衛が必要なのでは?」サマルはニコっと笑った。
ワ「わかった。お前たちに頼むアル」
4人は笑顔で顔を見合わせた。
『転生したらローレシアのメイドさんだった件』
Comments