CHAPTER 52
路地では男の子と女の子が、地面にしゃがみこんで遊んでいる。
女「ではなぞなぞです!
次のうち、口封じの呪文《マホトーン》が絶対に効かないモンスターはどーれだ?
1.いたずらもぐら
2.みならいあくま
3.きりかぶおばけ
どーれだ?残り10びょう!ちっちっちっち…」
男「うーん?みならいあくまは呪文封じられたらただのピエロになっちゃうから、《マホトーン》耐性があったっけなぁ?」
女「ぶっぶー!正解はいたずらもぐらでしたー!」
男「なんでぇ??」
女「常に『しゃべる』を持ってるから~!」
男「アホくさぁ~!」
女「あはははははぁ~」
ミ「きゃははははぁ!」
サ「ははは!僕も男の子と同じこと考えちまった!
この国はなんだか、みんな楽しそうだね?」
女「あはははは!
この国はとんちが流行っているの。詠み人知らずのとんち話やなぞなぞが昔っから語り継がれてるんだって。
とんちを楽しんでると、頭が良くなるのよ♪」
カタコン カタコン
何やら音が聞こえる。
一行は音のする家を覗いてみた。
機織り機がたくさん並び、幾人かが機織りをしている。女性だけでなく男性もいる。
一行は部屋の様子を見渡した。すると…
サ「うわ、見つけた!《命の紋章》だ!
しかもいっぱいあるぜ!」
機織りたちは《命の紋章》ばかりをたくさん織っていた。
女「おひとつ持っていかれますか♪」女性がにこやかに問いかけた。
サ「いいですか?1つ頂いても!」
ロ「おいおい、同じ紋章がたくさんあるということは?」
サ「あ(汗)レプリカか!」
ロ「天才のはずのサマル様が、この集落じゃみんなに赤子のようにひねられてるなぁ」
サ「なんか調子狂っちゃうんだよ(汗)
だってさ、僕の役割をみんなにとられちゃってるような…」
ム「あなたは適材適所でキャラクターを変えられるからね」
サ「そういうローレは、どうも饒舌だぜ?」
ロ「僕もここの人たちの陽気さにつられてる気配はある(汗)」
サ「ところで、なんでレプリカを大量に作ってるんですか?」
女「織物の練習というのもありますが、危機管理でもあります。
たとえば悪者がやってきて、《命の紋章》を出せ!と脅すこともあるかもしれませんよね」
サ「そんなときのことまで考えてるのか…!」
ム「冗談ばっかり言ってるかと思ったら、深いのよねここの人たち」
『転生したらローレシアのメイドさんだった件』