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CHAPTER 8

CHAPTER 8


サマルトリアの王子は、二人を扉の奥へと案内した。

そこには青白く透き通る水が滔々と湧き出る、小さな泉があった。

サ「回復の泉だよ。ここで身を清めてしばらく瞑想していれば、洞窟で受けた傷を回復することができるんだ。なにしろまた出口まで歩かなきゃならないからね」

ロ「なるほど」ローレシアの王子は泉に身を浸した。


サ「勇者の泉の洗礼って、仙人でもいるのかと思ったけど、石の狛犬との戦いが洗礼だったみたいだ。まぁこういうのも『洗礼』って言うよね」

ロ「そうだ!君、石の狛犬に苦戦しなかったのかい?」

サ「つまりはこういうことだよ。魔法が使えるなら苦戦しない仕組みになってる。

 僕も最初は剣で斬りかかって、歯が立たないから青ざめたさ。

 それで魔法を撃ってみたらアッサリでさ。 

 押してダメならなんとやらだよ。ハハハ」

ロ「そうか。僕は洗礼をクリアしていないと言える気もするけど…いいのかなぁ」

サ「どうだろね?アハハハ」

サバサバした、明るい青年であるようだった。


回復を終えると、一行は出口を目指して引き返す。

まもののむれがあらわれた!バブルスライムが3匹だ!

ロ「まずい!早く仕留めないとまた毒に冒されてしまうぞ!」

サ「はは。任せてよ♪」

サマルトリアの王子は軽やかに地を蹴ると、《レイピア》で華麗になぎ払った!

バブルスライムA、B、Cにそれぞれ12前後のダメージ!まもののむれをやっつけた!

ロ「すごい!一体どうやったんだ!?」

サ「《なぎ払った》んだよ、武器で。

 一人で大勢の魔物に立ち向かうにはどうしたらいいかって考えたら、こんな技を編み出した。

 タイマンで戦ったら君が世界一だろうけどね。僕にはこんな戦い方がある」

ロ「すごい!僕をぜひ子分にしてくれないか?」

ミ「だめですぅ!ローレ様が親分ですぅ!!」


サマルトリアの王子と盗賊一味が仲良さげに洞窟から出てきたのだから、お共の兵士団は驚いた。

そして、サマルトリアの王子の更なる発言により、兵士団はさらに驚かされるのだった。

サ「君たち、もうお共はいいや。お城に帰っていいよ。

 僕、ムーンブルクの城へはこの人たちと行くからさ」

兵「正気ですか王子!

 この者たちは何者なのですか!?」

サ「ローレシアの王子…と同じくらい強いみたいだからさ。君たちよりも役に立ちそうなんだよ♪」



『転生したらローレシアのメイドさんだった件』

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