えぴそーど25 『魔王が女の子ってマジなの!?(仮) -もの言わぬ革命者-』
- ・
- 2024年12月23日
- 読了時間: 4分
えぴそーど25
ブオーーー!
客船は汽笛を鳴らす。
「あと20分で、当客船はホイヤンの港に到着します」船内アナウンスが流れる。
一行は身支度をして、下船の準備をする。そして甲板に出てみるが・・・
ヒ「あれ?港なんてないよ!?」
船が向かう先には、ヨロハマ港のような立派な港はない。
ミ「ホイヤンは古くからの寄港地じゃないからね。そしてここは東南マジマよ。あまり文明も発達していないから、最低限の船着き場しかないんでしょうね」
海岸には木でできた素朴な家々が見える。まるで昔のヒボンの高床式住居みたいだ。
家々はなんと、海から脚が突き出ている!水上集落である。
ヒ「文明が発達してないの?」
ミ「いわゆる発展途上国だもの。首都とかはずいぶん変わってきたようだけど。まだ素朴な町も残ってるはずだわ」
ミサトの言う通りだった。岸には港という港はなく、ただ桟橋が伸びているだけだ。船は桟橋に着岸し、乗客はそこから歩いて島に上陸する。
ヒ「素朴だぁ。テレビで見たヒボンの田舎みたい」
コ「なにぃ?岸まで歩けというのか?タクシーを呼びたまえ!この私を誰だと思っているんだ!」
さっきのコザワとかいう政治家が何かゴネている、
船「い、いえ、それは不可能です!桟橋は狭いですし、それ以前に砂浜に車は入ってこれませんから!」
コ「なにぃ?失礼な国だな!」
船「せ、せめて通りまでは歩いてくださいませ!わずか50mですから!」
ヒ「ぷぷ。あの人HP5しかないんじゃないの( *´艸`)」
カ「たくさん食べたお肉は一体どこにいったのかしらね」
ミ「うふふ。
私昔、輸入雑貨を全国展開する大企業から、買い付け要因としてスカウトされたことあるんだけどね。億万長者の秘書じゃなくてあなたたちとの旅を選んで良かったわ♪」
船が岸に着き落ち着くと、なんとセナが桟橋を一目散に駆け出した!
ミ「ちょっとセナ、どこ行くの!」
セナは桟橋を駆け抜け、砂浜を駆けると、高床式住居まで寄っていく。
その素朴な木の家を、彼女はじーっと見上げている。
3人は小走りで追いかけた。
ミ「ちょっとセナ、どうしたの?一人じゃ危ないわ」
セナはまだ木の家を見上げている。そして・・・
セ「なつかしい・・・」
ミ「え?」
カ「ミーさん昔、セナを連れてきたことがあるの?」
ミ「無いわよ!この子が生まれてからは外国に行ってないもの。
ヒボン列島でもこんな場所来たことないわ!」
家の前のデッキで何やら旅行者が騒いでいれば、その家の母親が何事かと顔を出す。
ミ「あぁ、ごめんなさい!」ミサトは咄嗟に謝る。
母「いやぁ、いいのよ(*'▽')
遠い国から来たの?」
ヒ「庭に入り込んじゃったのに・・・怒ってない!?」
母「こんなデッキ、みーんな通っていくわね。
それに家の中に入ったって、怒りやしませんよ(*'▽')」
カ「なんて穏やかなの・・・!
東南マジマって治安が悪いって聞いてたわよ。この辺だけ特別なの?」
ミ「粗野な人も多いけどね。でも人情って面ではヒボンよりも優しいんじゃないかしらね」
カ「そうなんだ・・・!」
母「隠すモンも盗られるモンもないからね♪
お腹すいてるんじゃないのかい?フルーツくらいなら出してやるけど」
ヒ「えぇ、イイんですか!?」一行はお言葉に甘えることにした。
木の家は本当に素朴だ。サイズも小さい。ワンルームと言うのか。台所と地続きのリビング、それだけだ。
一行は木の床に座って、フルーツをごちそうになる。
見たこともないトロピカルなフルーツが盛りだくさんだ。
ミ「まぁ、ドラゴンフルーツなんて懐かしい♪」
ヒ「レアなフルーツこんなにたくさん!高いでしょ?」
母「あっはっは!あんたたちの国じゃ高いんでしょうけどね、この辺じゃ腐るほど採れるのよ。村のはずれまで歩けば、お金払わなくたって採れるわ」
ヒ「えぇー、いいなぁー!!タダでフルーツ美人になれちゃうってこと!?
フルーツいっぱい食べると美人になるんだよ!」
カ「あはは。口臭も減るわね」
母「その代わり、じゃがりこもポッキーもないけどね」
ヒ「知ってるの?」
母「寄港地だもの。外の話も色々入ってくるわ」