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えぴそーど28 『魔王が女の子ってマジなの!?(仮) -もの言わぬ革命者-』

  • 執筆者の写真: ・
  • 2024年12月23日
  • 読了時間: 4分

えぴそーど28


3日目の昼。ヒナタの風邪が治ったのを確信すると、一行は次なる場所へ旅立つことにした。

そしてミサトは、おそるおそるセナに尋ねる。

ミ「セナ、もう出発で大丈夫?」

セ「え?」

ミ「え?わ、忘れものとかない?」

セ「ないよ」

ミ「遊び足りないこともない?」

セ「ないよ?」

ミ「本当に、いいの?」

セ「なにが??」

ミ「トキョーとはぜんぜん違う、とってものんびりしたこの村で、ずーっと暮らしたいって思っていたり、しない・・・?」

セ「ぼうけんが、したいよ?」

ミ「そう、それなら行きましょう♪」

セナはこの村がえらく気に入ったが、それ以上にまだ見ぬ風景を求めるのだった。


ヒ「や、やっぱりもうちょっとスターフルーツを食べてから・・・(๑º﹃º​๑)」

カ「さっさと行くわよ!」カンナはヒナタの首根っこを掴んだ。



一行は、ホイヤンの中心街を目指して歩いた。

この土地にも魔物は出る。トキョーやヨロハマよりも少し強いが、やはり大した脅威ではないようだった。カンナがいるかぎりは。


ヒ「てゆうか、ホイヤンに何があるの??」

ミ「ホイヤンは交通便の良い寄港地でもあるし、伝統工芸の盛んなアートな町なのよね。だからちょっと楽しいだろうと思って♪」

カ「来たことあるの?」

ミ「色とりどりの提灯(ちょうちん)が、雑貨としても有名なのよ。だから買い付けに来たことがあるわ」

ホイヤンの中心街は、噂通り美しい町だった。渋く美しい。古い町並みを、職人たちの作る無数のカラフルな提灯が彩っている。中心には川が流れ、船頭が小舟をこいでいる。提灯を見に、国内外から観光客が来るのだ。

その中をのんびり散歩するのも楽しい。



しかし、そんな優雅な昼下がりを、大きな罵声がつんざいた!

「なんだとー!!10万ゴールド規模の取り引きをしてやると言ってるんだ!

 文句を言わずに2週間で納品したまえ!!

 なんとしてもオオカサ万博に間に合わせるんだ!」

ミ「こないだの政治家だわ」

ヒ「めら・・・」

カ「やめときなさい!」

店「2週間は無茶ですよ!

 町のすべての提灯をかき集めても、1万個にはなりません!

 すべての職人が2週間休みなしに働いても、1万個には追い付きませんよ!」

コ「それなら徹夜をして仕事したまえ!

 10万ゴールドも町に金が入ってくるのだぞ?」

店「2週間も徹夜をしたら、死んでしまいます!

 大金を得たところで、命や健康を失っては元も子もありません!」

コ「ぬぬう、聞き分けの悪いやつだな!」


ヒナタは、なんとなく話の内容を察した。そして我慢が出来なくなった。

ヒ「ちょっと!

 ヤクザな商売ふっかけなさってんじゃないわよですよ!!(ꐦ°᷄д°᷅)」

カ「いちお敬語使ってるつもりなのかしら(汗)」

コ「なんだね君たちは?」

ヒ「ベイビー・アダルトです( ˊᵕˋ* )」

カ「何よそのチーム名みたいの?」

ヒ「うん?ミスターチルドレンのパクり(・∀・)」

コ「ふん!

 ヤクザな商売?人聞きが悪い。

 貧しい発展途上国を支援する、慈善プロジェクトだよ。先進国の使命である。

 国会で話し合って可決された、尊い慈善だよ。

 貧しい国に大金を流してやっているんだよ!」

ヒ「あ、善いことしてんの?(;・∀・)」

カ「コロッとだまされないでよ!

 横暴な取引き吹っ掛けてんのよあのおっさん!」

ミ「お言葉を挟んでもよろしいでしょうか。

 大きな取引をするのは、悪いことではないのでしょう。

 しかし、準備も時間もない大規模な取引は、労働者を壊してしまいます!

 それは相手のためにはなりません!」

ミサト ラフ画 『魔王が女の子ってマジなの!?(仮) -もの言わぬ革命者-』
ミサト ラフ画

カ「ミーさんったら超天才!」

コ「あぁ?浮浪者のようにさすらう貴様に何がわかるんだ」

ミ「わ、わたしは元、雑貨店のバイヤーです!」

コ「はぁ?知ったことか」

カ「会話が成り立ってないわ。バカの会話ね」

ヒ「ちょっとぉカンナ、ちゃんと敬語つかいなさいよ!」

カ「注意するとこ間違ってるわよっ!」

コ「貴様らには関係のないこと。消えたまえ!」

コザワの横にいるボディーガードたちに、一行はつまみ出されてしまった。


ヒ「偉そうなこと言ってても、ヘリクツなことってあるんだねぇ~」

カ「政治家の話なんて、大抵あんな感じよ」

ヒ「あの人、悪の親玉じゃないの?」

カ「みんなあんなもんよ。

 っていうか、私あちこちさすらいながら生きてるけど、なんで定住しないかわかる?」

ミ「今の話に関係あるの?」

カ「どこの国に行ったって、どこの政治家にだって、投票したいと思えないから。

 でも定住したら投票権を与えられて、誰かに投票しなきゃならないでしょ?

 それが嫌だから定住しないの」

ヒ「無記名投票すればイイんだよ(・∀・)」

カ「まぁそうだけどね。でもちょっと違うのよね。

  私の生き方が、正しいと言うつもりもないわ」

ヒ「カンナ、わるいこ??」

カ「旅人なんて、魔王を倒しでもしないかぎりはならず者なのよ。

 でも、それでいいと思って生きてるの」

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