えぴそーど34 『魔王が女の子ってマジなの!?(仮) -もの言わぬ革命者-』
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- 2024年12月23日
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えぴそーど34
翌日、あらためてゆっくりと、昨日の象の行った道をたどってみることにした。
歩くこと1時間。
美しい湖のほとりに、噂の神殿はあった。
石柱や石像で装飾された立派な神殿が建っている。
カ「あぁ、ホントにすごい芸術ではあるわ!」一行は芸術のカタマリを見上げた。
男「そうだろうそうだろう!
私がこの神殿の主だよ。ベルサイユというもんだ。
中も見てくかい?絵画や石膏の神話像なんかもあるんだぜ!
一人5ルーブルだよ」
ヒ「お金とるの?Σ(゚□゚︎`)じゃぁいいよ」
男「なにぃ?
いやぁお嬢さんたち美人じゃないか!
特別にタダで見せてやるよ♪オレは気前のいい男なんだ。優しいだろう?」
ヒ「どうする?」
カ「いいわ別に見なくても。成金のコレクション自慢なんて興味ないもの」
ヒ「じゃ、ばいばーい!」
大した収穫もなかったが、一行は町に引き返すことした。
するとその途中、また重たい石像を運ぶ昨日の象に出くわす。
カ「かわいそう・・・」
しかし一行に出来ることは何もなかった。すれ違いながら、象の悲しい目をただただ眺めていた。
ヒ「ねぇ、カンナの《メラミ》であの石像壊してよ?」
カ「さすがに石像までは壊せないわ」
ヒ「そっかぁ」
しかし・・・
ドカーン!!
不意に大きな爆発音がした!
一行は何事かと振り返る!
すると、なんとさっきの象の、背中の石像だけが派手に破壊されている!!
すごい音がしたが、象は無事だ。
荒「な、なんじゃこりゃ!!」荒くれも驚いている!
ヒ「カンナったらカッコいい~♪
コッソリなんかすごい技使ったんだね(・∀・)」
カ「え、私何にもしてないわよ!?」カンナは本当に何もしていなかった。
カ「どうなってるの・・・!?」
その日の夕暮れだった。
一行が宿で休んでいると、外から妙な音がする。
ぱおーーーーーん!!
ヒ「なんだぁ!?」
一行は慌てて外に飛び出てみる。
なんとそこには、奴隷にされていたあの象がいた!
ヒ「ひゃー!!」間近で見ると怖い!すごい迫力だ!
象はその長い鼻を、こちらにぐわっと伸ばしてきた!
ミ「危ない!」
なんと象の鼻はセナをめがけて迫ってくる!
しかしセナは怯えない。
セ「象さん、なにか言ってる」
ヒ「え??」
すると象は、セナを鼻でくるっと掴んで、自分の背中に乗せた!
セ「きゃははは!!」セナは象の背中に乗って楽しそうだ!
セ「象さん、なにか言ってる」
カ「何なの!?何が起こっているの!?」
セ「のりなさい。だって。
背中に乗りなさい、だって。遠いところでも連れてってあげる、だって!」
ミ「えぇ!?」
ヒ「でも、象さんの背中が重いとかわいそうだよ!!」
セ「いいのです。象が良いと言えばよいのです」
一行「・・・!!
ありがとう・・・!!!」
象は穏やかに目をぱちぱちとさせた。
なんと、象の乗り物を手に入れた!!
ヒ「やったーぁ!これでラクチンにどこまでも行けるぅ(∩´∀`)∩」
翌日は朝早くから、一行は象に乗り込んで出発した!
セナが言うに、象は「トロデ」という名前らしい。
ヒ「ヘンな名前~」
トロデは4人を乗せて、力強くのっしのっしと歩いた。移動が速くなるのだろうか?あまり変わらない。象の歩行はそう速くはない。しかし一行の移動は各段に楽になった。
トロデに乗ると、あまり強い魔物は出てこないのだった。そしてトロデは、川沿いや湖沿いを好んで歩いた。頻繁に水の中に入っては涼んでいる。一行もついでに涼む。
トロデは時に、ヒナタたちに鼻からシャワーを吹きかけた。
ヒ「象って賢い生き物なのかな?」
カ「ヒナより少し賢い気がするわ」
ヒ「アタシ掛け算できるもんっ!!」
カ「掛け算で自慢しないでよ(´_ゝ`)」
ミ「なんか象が不思議なことをやってみせたっていう伝承が、あちこちにあるわよね」
象とは特殊な生き物なのだろうか・・・!?