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えぴそーど7 『魔王が女の子ってマジなの!?(仮) -もの言わぬ革命者-』

  • 執筆者の写真: ・
  • 2024年12月23日
  • 読了時間: 4分

えぴそーど7


陽は傾きはじめていた。たしかに人々は、魔王以前に今夜訪れる宵闇のための準備にせわしなく動き出している。

2人は街の大きなスーパーへと繰り出した。

ヒ「きゃははぁ~なんか修学旅行の買い出しみたいぃ(∩´∀`)∩」

カ「のんきなモンね」

店「さぁ~タイムセール、タイムセールだよ!

 メイボリンの期間限定リップがなんと5ゴールド!(約500円。1ゴールド=約100円)」

ヒ「やっすー!買うぅーー!!」

カ「不人気品の在庫処分でしょ(汗)コロッとだまされないでほしいわ( ̄д ̄)」カンナは懸命に、小型犬のように興奮するヒナタをなだめた。

カンナに首ねっこを掴まれて、ヒナタはスーパーの中をヨロヨロ歩いている。


?「もぉ~イスラエムが魔王の戦争に巻き込まれたおかげで、色々物価が上がってるわねぇ~(汗)」

愚痴りながら買い物をする中年女性に、ヒナタは不意にぶつかってしまった。

ヒ「あ、すみません!

 ってママ!!??Σ( ̄□ ̄|||)」

なんとヒナタの母親に鉢合わせるのだった!

母「あんたなんでまだこんなところに居るのよ!」

ヒ「いやぁぁコレでも全力で取り組んではいるんですぅぅぅ(;´Д`)」

母「濃いめハッピーターンとか要らないんだから早く旅立ちなさい!」

母はヒナタを店からつまみ出すのだった!



ヒ「この街の賑やかな大通りを歩くのも、今日が最後かぁ~

 そう思うと名残惜しいなぁ」

ヒナタは少し切ない気持ちになりながら、商店街を歩いた。

ヒ「おっ?なんか武器売ってる店がある!

 小さなナイフが2ゴールドだってぇ!安っすー!」

カ「それはレプリカのナイフよ。

 エスニック雑貨の店ね」

ヒ「レプリカでも切れそうだよ?」ヒナタは興味を惹かれて、店内へと吸い込まれていった。

この店は結構昔からこの街にあったが、ヒナタはエスニック雑貨だの民芸品だのといったものに興味がなく、いつも素通りしているのだった。

ヒ「わぁ♪」店内には所狭しと、様々なエスニック雑貨が並んでいる。奇妙な匂いがする。東南マジマのお香だ。


女「いらっしゃい♪」三十半ば、といった年頃の女性が、愛想よく言った。ややエキゾチックな顔立ちをした瞳の強い美人だ。

ヒ「ねぇこのナイフってちゃんと切れますよね?」ヒナタは店先の品を掲げながら尋ねた。

女「えぇ、多少はね」

ヒ「スライムとかも?」

女「ス、スライム?魔物と戦うことはおすすめはしないけど・・・。

 お嬢さんは冒険の旅に出るの?」

ヒ「えぇまぁ、ちょっとそこまで」

女「へぇ!お遣いか何かかしらね。

 いいなぁ、懐かしいわ!もう15年も前になるのかぁ・・・!」

ヒ「え!お姉さんも冒険してたことがあるの?」

女「えぇ、昔は民芸品屋に雇われで働いててね。

 その時は雑貨の買い付けをしによく外国に行ったわ。

 幾つもの国を周ったのよ?東南マジマだけだけどね」

ヒ「えぇ、すごぉーい!カッコいい!」

カ「ちょっと!この人誘えるんじゃないの!?」カンナはこっそりヒナタに肘打ちをした。

ヒ「は、そうだ!

 ねぇお姉さん!また買い付けに行こうよ?ね?明日くらいに商品補充したほうがいいんじゃない?この人がボディーガードしてあげるから!」

女「あははは今はもうムリよぉ。

 あの子が生まれてからはね。海外にも行っていないの」

彼女は、店の隅で象の置物と遊んでいる少女を指さした。

ヒ「はっ!こんなところにキュアマジェスティ(♡▽♡)」

セナ登場シーン 『魔王が女の子ってマジなの!?(仮) -もの言わぬ革命者-』
セナ(おめかしイラストは後程ほど公開!)

ミ「いえ、そういう名前じゃないけど(^▽^;)」

少「(・◇・;)」幼い少女はおどろきとまどっている!

女「うふふ。この店の値札やポップはあの子が描いてるのよ♪」

カ「まぁ、かわいい女の子♪」カンナは少女に近寄っていく。

カンナは何か少女に話しかけている。


店主はヒナタに向き直った。

女「この子がいるからね。冒険とかはムリよ」

ヒ「えぇ?そっかぁ。ガックシ。

 あれ?でも、子供がいたって外国は行けるんじゃない?」

女「この子はちょっとデリケートなのよ。不登校に陥ってしまっててね。

 あまり浮世離れしすぎても可哀そうじゃない。だから流浪の民とか長期休みなんて、させたくないわ」

ヒ「そっかぁ。

 でも、行けるんだったらまた行きたいって思いはあるんですか?」

女「そうねぇ。旅は楽しかったわ♪

 この子が生まれてなかったら、今でも世界をさすらってたかも。それくらい楽しかった」

ヒ「ていうことはお姉さん、強いの?

 あぁ、アタシはヒナ!さっき魔法屋で《メラミ》を覚えたばっかのところ!」

ミ「私はミサト。河村美里。

 強いのかどうか・・・魔物退治とかしてたわけじゃないからねぇ。

 昔東南マジマを巡ってたとき、ヒンドって国で瞑想修行をして。そのときに密教のお坊さんから《ベホイミ》の魔法を伝授してもらったわよ。中級の回復魔法ね。

ヒ「すごぉーい!回復魔法の使い手なんてノドから手が出るほど欲しいじゃん!

 うぅ、なんかおあずけ喰らってるみたいで苦しい(;´Д`)」

すると、カンナが口を挟んだ!

カ「いいえ!おあずけなんかじゃないわ!」

ヒ「え!?」

カ「ミサトさん!一緒に旅立ちましょう!」

ミ「だからね(^▽^;)この子が・・・」

カ「いいえ!ハナシはすべて聞いたわ!この子からも。

 この子・・・セナちゃんも、この街を離れて旅したがってるわ!」

ミ「えぇ!!??」

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