…プロローグだけでも、
壮絶なドラマと啓発性を含んだ社会派ストーリーになるけれど、
僕は、「派遣社員の奮闘記」を書くつもりなど、毛頭無い。
この物語は、「旅の小説」であり、
厳密に言えば、ほぼ100%実話の、「旅日記」なのだ。
そのためには、
僕がどのような人間なのか、ある程度知ってもらう必要があるので、
前書きがてらに、長い前章を綴った。
僕は、
2009年2月16日に日本を経ち、
ロシア・モスクワ空港経由で、エジプト・カイロに降り立った。
カイロに到着したのは、夜中の2時頃だった。
僕にとっては、
真夜中に現地に到着するのは、馴れっこだった。
…別に、交通機関が完全に眠っていたとしても、
「空港のベンチで眠ればイイやん」と、お気楽に構えていた。
…このエピソード2からは、
少し文体を変えようと思っているんだけど、イイかな?
例の新人の彼みたいに、
チャラチャラとオマ〇コ・トークをするつもりは、これっぽちもナイけど、
旅のアレコレを綴るのに、シリアスな文体は、合わないからさ(笑)
…そうじゃなくっても、
「シリアスな文章」を長々と綴ると、僕、ジンマシンが出ちゃうんだよ!
…つまり、
コレは、
ケラケラ笑いながら読む、「とんでも放浪日記」なんだよ♪
…もしキミが、
「シリアスな社会派小説」とカンチガイして、この物語を読み始めちゃったなら、
今のうちに、「回れ右!」しといたほうがイイけど、だいじょうぶ?
カイロ空港の玄関まで出ると、
…夜中の0時だっていうのに…
ものスゴい数の「ひげマリオ」たちが、
「タクシー!タクシー!5ダラー!」
と、早朝の築地市場みたいに、僕らを競り落とそうとしてんだ。
…まぁ、築地市場なんて、行ったことナイけど。
彼らはのうちの90%か、若しくは105%は、
正規のタクシー・ドライバーではなくて、いわゆる「白タク」なんだ。
シロウト旅行者を騙しながら生計を立てることが、
彼らの偉大なる、高貴なる、崇高なる、「人生の使命」なんだよ(笑)
彼らは、ボッタクリ値段で、旅人を市街地まで運ぶのだから、
フツウに考えれば、「煩わしい存在」と言えるよ?
けれどもさ?
全ての発展途上国の空港から、彼らの姿が消えてしまったなら、
「バックパッカー」という人種は、
海外放浪というものを、全くやらなくなっちゃうんだよ(笑)
「バックパッカー」という人種は、
ボッタクリが大好きな大都市の商売人たちを、
いかに上手くあしらい、
いかに上手く友達になり、
いかに上手く利用し、
いかに上手くムシするかを、
一つのゲームと捉えてるんだよ。
つまり、
あの「ひげマリオ」の風貌をしたヤツらは、
スーパーマリオで言うところの、クリボーやノコノコ側なのさ(笑)
全国のゲーマーたちは、
「1-1にクリボーもノコノコも出現しないTVゲーム」に、
一体、どんな魅力を感じると思う?
倒す必要もないクリボーを倒すために、
わざわざ2万円も払ってゲーム装置を買い、
ゲームのスイッチを入れたヤツらは、
みーーーーーーーーんな、「バックパッカー予備軍」なんだよ♪
そういう少年少女たちは、
「ひげマリオ」たちとのスリリングな交渉を、「楽しい」と感じられるユーモア精神を、
持ち併せているハズさ!
『導かれし者たち』