僕らは、夕方にはカイロに戻った。
僕は、今朝あんなアクシデントが遭ったのに、
性懲りもなく、同じ宿に泊まった(笑)
なぜかって?
何の美学もナイよ(笑)
荷物を背負ったまま新たな宿を開拓するのが、
メンドクサかっただけさ(笑)
彼女たちは、カイロに戻ると、
その足で、トルコ方面に北上していった。
3ヶ月で世界一周する「駆け足プラン」だから、
あんまりのんびりは、していられないのさ。
僕は、一人でタフリール広場周辺の汚い町を徘徊して、
テキトーに夕飯を済ませた。
翌日は、
カイロの新市街のほうを、散策しに行った。
どっかのバス停から、ムリして歩いて行こうとしたモンだから、
散々遠回りした挙句に、
「シタデル」という、イスラム建築の宮殿に辿り着いた。
この「シタデル」は、
そんなに有名ではナイようだけど、素晴らしいよ!!
規模も大きいし、
RPGのダンジョンみたいに、あちこち迷子になれるし、
イスラム建築独特の美しさが、これでもかってほど堪能出来る♪
ココ、「シタデル」と、隣近所にある「ガーマ・ムハンマド・アリ」
という二つの建物は、
イスラム建築の中では、世界トップクラスで、美しく、楽しいと思う!!
トルコの「ブルーモスク」をも、凌ぐんじゃないかなぁ!
3時間ばかしも悠々と散策をして、
またムリして歩いて帰ろうとして、迷子になっちゃった!
そんで
くたびれたカラダを引きずって、1時間もウロウロすると…
ヘンな町に迷いこんじゃった…!!
ペールカラーの、妙ちくりんな小さな建物が、
ところ狭しと密集した町なんだ。
…町…?
「町」と呼んで、イイんだろうか!?
なにしろ、
ヒトの姿が、全っっっっっっっっったく、ナイ…
気味が悪いほどに静まり返ってんだ。
それだけじゃないよ。
建物は腐るほどあるのに、「家」とすんなり呼べそうなものは、
ある…のか?ナイ…のか?
そして、
時々、野犬がウロついていた…
凶暴じゃナイのが、せめてもの救いだった。
町をテキトーに徘徊して、
抜け出そうとしたときに、初めて、ヒトに遭遇した。
彼らはジモティのようで、
家族連れで、手には花束を持っていた。
僕は、悟った…!
ココは、巨大な墓地だったんだ…!!
後でガイドブックを調べてみたら、
案の定、そこは、「死者の町」と呼ばれる、巨大墓地だった。
イスラム人は、
死者にも生前と同じような住環境を、与えたいのかなぁ?
であるとすれば、ものスゴくイキな感性をしてるね♪
ちなみに、
霊感が強く、霊を見たり憑依されたりしやすいタイプのヒトは、
「死者の町」には近づかないほうがイイよ!!
『導かれし者たち』