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エピソード14

その日は宿には泊まらず、

寝台列車に飛び乗って、

遥か南の街「アスワン」を目指した。


「長距離移動の交通網」については、

国によって、

「バスが発達しているところ」と、「電車が発達しているところ」があるよ。

エジプトの場合、

「電車が発達している」と言うよりも、

「バスのほうが、更に発達していない」というカンジだった(笑)

カイロの中心地には、あんなに立派なメトロがあるというのに、

お役人たちが利用しない交通機関には、

お金も科学力も、注ぎやしないんだ(笑)

その辺は、日本とオンナジさ。


…知ってた?

日本の、高速道路などのインフラ整備も、

国会議員や県会議員のニーズに先導されて、作られていくんだよ。

彼らにニーズがあるなら、

他の住民にはどれだけニーズ薄でも、

何億も投下して、こさえちゃうんだよ(笑)

地方を旅してると、

おっちゃんたちから、そういう話をよく耳にするさ。



夜行列車は、

とにかく、長かった!

…走行時間が長かったってのもあるんだけど、

車体が、長かった!

山手線の車両の、2倍くらいはあるんじゃないかなぁ。

そんで、少数の乗務員で、大量に運ぶんだよ。ヒトも荷物も、さ。


それと、

ヤツら、時間なんててんで守りやしないんだ!

コッチは、15分前には切符の購入も終えて、

待合所でスタンバイしとくだろう?

でも、

出発の時刻にホームに停車してる電車は、

「2つ前くらいの電車」だったり、するんだよ(笑)

車体にはゼンゼン、行き先とかナンとか、書いてないモンだから、

駅員さんをとっ捕まえて、その都度確認するしか、ナイ…

まぁ、駅員さんが割りとみんな親切だってコトが、せめてもの救いだろうなぁ。


たいてい、

発展途上国の長距離列車は、一等車と二等車に分かれてるよ。

一等車には、

それなりにフカフカな座席があって、電気も煌々と点いてる。

二等車は、

せんべい座布団みたいな座席で、電気も薄暗い。

治安があんまりよくナイらしく、

「旅行者は一等車に乗れ」って、頻繁に言われるなぁ。

三等車がある国もあるね。

コレはいよいよボロ船で、

ホームレスまがいな貧困層のジモティが、

座席数以上にウジャウジャ乗ってる。床に寝てる人とかいっぱいいるし。



『導かれし者たち』

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