その日は宿には泊まらず、
寝台列車に飛び乗って、
遥か南の街「アスワン」を目指した。
「長距離移動の交通網」については、
国によって、
「バスが発達しているところ」と、「電車が発達しているところ」があるよ。
エジプトの場合、
「電車が発達している」と言うよりも、
「バスのほうが、更に発達していない」というカンジだった(笑)
カイロの中心地には、あんなに立派なメトロがあるというのに、
お役人たちが利用しない交通機関には、
お金も科学力も、注ぎやしないんだ(笑)
その辺は、日本とオンナジさ。
…知ってた?
日本の、高速道路などのインフラ整備も、
国会議員や県会議員のニーズに先導されて、作られていくんだよ。
彼らにニーズがあるなら、
他の住民にはどれだけニーズ薄でも、
何億も投下して、こさえちゃうんだよ(笑)
地方を旅してると、
おっちゃんたちから、そういう話をよく耳にするさ。
夜行列車は、
とにかく、長かった!
…走行時間が長かったってのもあるんだけど、
車体が、長かった!
山手線の車両の、2倍くらいはあるんじゃないかなぁ。
そんで、少数の乗務員で、大量に運ぶんだよ。ヒトも荷物も、さ。
それと、
ヤツら、時間なんててんで守りやしないんだ!
コッチは、15分前には切符の購入も終えて、
待合所でスタンバイしとくだろう?
でも、
出発の時刻にホームに停車してる電車は、
「2つ前くらいの電車」だったり、するんだよ(笑)
車体にはゼンゼン、行き先とかナンとか、書いてないモンだから、
駅員さんをとっ捕まえて、その都度確認するしか、ナイ…
まぁ、駅員さんが割りとみんな親切だってコトが、せめてもの救いだろうなぁ。
たいてい、
発展途上国の長距離列車は、一等車と二等車に分かれてるよ。
一等車には、
それなりにフカフカな座席があって、電気も煌々と点いてる。
二等車は、
せんべい座布団みたいな座席で、電気も薄暗い。
治安があんまりよくナイらしく、
「旅行者は一等車に乗れ」って、頻繁に言われるなぁ。
三等車がある国もあるね。
コレはいよいよボロ船で、
ホームレスまがいな貧困層のジモティが、
座席数以上にウジャウジャ乗ってる。床に寝てる人とかいっぱいいるし。
『導かれし者たち』