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エピソード21

その日の晩は、

夜行列車に乗って、ルクソールの街を目指した。



「夜行列車」や「夜行バス」って乗り物は、

バックパッカーという人種を、ずいぶん助けてくれるね♪

これら「夜行○○」は、

本来ならただ眠るだけで終わってしまう夜中の時間を、

8時間以上も掛かる長距離移動に、割り当てることが出来るからさ♪

…もし、

「夜行○○」を使わずに、

いっつも昼間の長距離電車や長距離バスを利用してたなら、

バックパッカーたちの旅程は、

3日に一度は、昼中ずーっと乗り物の中で過ごし、

移動だけで貴重な一日が潰れることになっちゃう…

アタマの良くない旅行者は、

「そんなのもったいない!」って感じると、

もう、「ならば飛行機だ!」という発想しか、出てこない…

だから、時間を尊重しようとするならば、大金を犠牲にしなきゃなんない…

でもバックパッカーたちは、

お金も時間も、どちらも犠牲にはしない♪

そのために有効なツールが、この「夜行○○」ってワケさ♪


…ただ、

「夜行○○」を3日に1回ものペースで活用するには、

それなりの体力ってモンが、必要になるなぁ。

「寝台列車」であれば、それなりに熟睡出来るだろうけれど、

ただの夜行電車や夜行バスには、平らな寝床なんてナイから、

ほとんど一睡も出来ないまま、10時間を乗り潰すことも、あるよ(笑)

まぁ、ベトナムとか南米とかには、

ほとんど水平くらいまでリクライニングしてくれる夜行バスが、充実してるけどね。

とにかく、基本的に夜行バスってのは快適な乗り物ではないけど、

バックパッカーたちはそれを承知の上で、「夜行○○」に乗り続ける。


なんで、バックパッカーは、

そんな体力が有るんだと思う??

生まれつき、恵まれたカラダ付きをしてんだろうか??

いやいや!違うのさ♪

彼らは、

「三日に一度の『夜行○○』」を繰り返し重ねることで、

ソレに対する体力や免疫みたいなモノを、養っちゃうのさ♪

そんなのは、生まれつき授かったりするモンじゃ、ナイんだよ(笑)


…一つだけ言えるのは、

若いうちのほうが、「夜行○○」への体力や免疫力は、

格段に付け易いってコトなんだ。

単純に、基礎体力が、若者のほうがあるからさ?

若いうちに、

「貧乏放浪」みたいのを充分に経験しておけば、

年老いて体力が衰えても、若い頃に培った「免疫」のほうは残ってるから、

なんとか適応出来るんだよ♪

でも、若い頃に「お姫様育ち」しかしてナイと、

年を取っても、「飛行機や豪華客船でしか移動が出来ない人間」に、

なっちゃうのさ。

そういうヒトは、子どもにもまた、「お姫様旅行」しかさせないから、

死ぬまで一生、飛行機や豪華客船に、何万も払い続けるんだよ(笑)


どっちがイイ?

どっちでも、スキなさすらい方を選べばイイし、

スキな生き方を選べば、イイんだよ♪



『導かれし者たち』

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