その日の晩は、
夜行列車に乗って、ルクソールの街を目指した。
「夜行列車」や「夜行バス」って乗り物は、
バックパッカーという人種を、ずいぶん助けてくれるね♪
これら「夜行○○」は、
本来ならただ眠るだけで終わってしまう夜中の時間を、
8時間以上も掛かる長距離移動に、割り当てることが出来るからさ♪
…もし、
「夜行○○」を使わずに、
いっつも昼間の長距離電車や長距離バスを利用してたなら、
バックパッカーたちの旅程は、
3日に一度は、昼中ずーっと乗り物の中で過ごし、
移動だけで貴重な一日が潰れることになっちゃう…
アタマの良くない旅行者は、
「そんなのもったいない!」って感じると、
もう、「ならば飛行機だ!」という発想しか、出てこない…
だから、時間を尊重しようとするならば、大金を犠牲にしなきゃなんない…
でもバックパッカーたちは、
お金も時間も、どちらも犠牲にはしない♪
そのために有効なツールが、この「夜行○○」ってワケさ♪
…ただ、
「夜行○○」を3日に1回ものペースで活用するには、
それなりの体力ってモンが、必要になるなぁ。
「寝台列車」であれば、それなりに熟睡出来るだろうけれど、
ただの夜行電車や夜行バスには、平らな寝床なんてナイから、
ほとんど一睡も出来ないまま、10時間を乗り潰すことも、あるよ(笑)
まぁ、ベトナムとか南米とかには、
ほとんど水平くらいまでリクライニングしてくれる夜行バスが、充実してるけどね。
とにかく、基本的に夜行バスってのは快適な乗り物ではないけど、
バックパッカーたちはそれを承知の上で、「夜行○○」に乗り続ける。
なんで、バックパッカーは、
そんな体力が有るんだと思う??
生まれつき、恵まれたカラダ付きをしてんだろうか??
いやいや!違うのさ♪
彼らは、
「三日に一度の『夜行○○』」を繰り返し重ねることで、
ソレに対する体力や免疫みたいなモノを、養っちゃうのさ♪
そんなのは、生まれつき授かったりするモンじゃ、ナイんだよ(笑)
…一つだけ言えるのは、
若いうちのほうが、「夜行○○」への体力や免疫力は、
格段に付け易いってコトなんだ。
単純に、基礎体力が、若者のほうがあるからさ?
若いうちに、
「貧乏放浪」みたいのを充分に経験しておけば、
年老いて体力が衰えても、若い頃に培った「免疫」のほうは残ってるから、
なんとか適応出来るんだよ♪
でも、若い頃に「お姫様育ち」しかしてナイと、
年を取っても、「飛行機や豪華客船でしか移動が出来ない人間」に、
なっちゃうのさ。
そういうヒトは、子どもにもまた、「お姫様旅行」しかさせないから、
死ぬまで一生、飛行機や豪華客船に、何万も払い続けるんだよ(笑)
どっちがイイ?
どっちでも、スキなさすらい方を選べばイイし、
スキな生き方を選べば、イイんだよ♪
『導かれし者たち』