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エピソード23

とにかく、よくわかったのは、

あの「和食レストランがあります」と書かれた安宿の主人は、

「不正を働いてでも儲けたいタイプの商売人」だと言うことさ。

僕は、彼とは極力ツルまないようにした。

その日はもう、のんびりと、近場の散歩に費やした。



翌日は、一大観光日となった!

なにしろ、

ルクソールという街の名前は、

エジプトでも有数の、神殿遺跡の名前でもあるのさ♪


僕はまず、午前中に、

少し郊外に出たところにある、ルクソール神殿に向かった。

たいていの人はバスで行くだろうけれど、

僕は、宿の近くでレンタサイクルを借りて、自転車で行ってみた。

自転車だと、30分くらいも掛かる。

迷子になったら、もーーっと掛かるだろうなぁ(笑)

けれども、

ルクソール郊外の町並みを観察して、写真を撮って、

ジモティと会話したりするのは、それなりに面白かったよ♪



ルクソール神殿は、スゴい!!!

「これぞ遺跡の中の遺跡だ!!」

と表現してイイくらい、ハイレベルな遺跡だった!!!

敷地がとても広くて、

神殿の各施設建築物は、かなり複雑に入り組んでいた。

こういう特色を持つ遺跡のことを、僕は、

「ダンジョン度が高い」と表現してるよ♪

RPGに出てくる迷宮ダンジョンを、実写で探検してるようなキブンに、

させてくれる遺跡なのさ♪


ルクソール神殿の最大の特色は、

一つ一つのモチーフが、とにかく、巨大なんだ!

神殿の支柱が、何百本もカタチを残して並んだ部屋があるんだけど、

支柱のデカさがハンパなくて、圧倒されてしまう!!

「巨人たちの住む神殿だったんじゃなかろうか…」

と、来訪者の誰もが、思うんじゃないかなぁ。


…実は、

その予感は、まんざらハズレてもいないようだよ♪

科学的な学説ではナイから、

科学崇拝の読者諸君は、読み飛ばしてくれてカマワナイけれど、

古代エジプトには、

身長の3~5メートルもある人間たちが、暮らしていたらしい…!!!

そんなことも想像したりしながら、散策してみたらいいよ。


ルクソール神殿は、

中に食べ物屋がナイから、長時間滞在が難しいだろうけれど、

2~3時間では回りきれないから、

出来ることなら、丸一日ココの観光に費やす計算で、

予定を組んでみるとイイよ♪

菓子パンなんか、買い込んできてさ?



昼過ぎに、ルクソール街の中心地に戻ってきたよ。

なんと、

ルクソール神殿と双璧を為す、カルナック神殿遺跡が、

ルクソールの中心街に、どかどかと横たわっているのさ!!


カルナック神殿は、

タイプ的には、ルクソール神殿とよく似ているよ。

あんまり遺跡に興味のナイ旅行者であれば、

ルクソールを見てしまったら、カルナックはパスしてもイイかもしんないなぁ。

一つ、ルクソール神殿と大きく違う個性は、

「川のすぐそばに佇んでる」ってことだろう。

夕暮れ時には、

神殿の敷地の中から、

川の向こうに沈んでいく真っ赤な夕陽を拝むことが出来るよ♪


…そうそう!忘れるトコだった!!

カルナックやルクソールなどの神殿遺跡を散策するときは、

そこらじゅうに彫られてる壁画にも、注目するとイイよ♪

戦いの様子や、縄で縛られた奴隷の様子なんかが多いけど、

よくよく見てみると、ユーモラスなのや、エロいのも、あるんだ(笑)

手を繋いだ男女が、「はい、あーん♪」って、

何か食べさせているシーンであるとか、

あきらかに大き過ぎるおちんちんを、誇らしげに掲げる男たちの列とか…

珍しい、オモシロイ壁画を見つけたら、

写真に収めて、友だちに見せびらかしちゃおうぜ♪



19時くらいには、宿に戻った。

一日歩き通しで、もうクタクタさ!!

今夜こそは、屋上の和食レストランとやらで、

食事をしてみることにしたよ。

いやー、久しぶりの和食だなぁ♪

…と、ワクワクしながら、

カツ丼と味噌汁を注文したんだけど…


どっちも、ヒドい味だったなー!!!


カツ丼「ぽい」食い物と、味噌汁「ぽい」食い物だけど、

決定的に、それらとは違ったよ(笑)

ココのシェフとやらは、

「ダシを取る」という概念を、知らないようだなぁ…

カツ丼も味噌汁も、

僕は、完食することが出来なかったよ…


海外の日本食レストランってのは、

ココほどでないにしても、当たり外れがあるよ。

高級料亭みたいなとこならまず間違いなく美味しいけど、

庶民的な店の場合、玉石混交だね。

メニューに「クリーミーコロッケ」と書いてあるのに、普通のコロッケ出てきたりするしね(笑)

庶民的な店のカツ丼程度でも、ローカルフードの3倍くらいの値段がするから、

僕はあんまり、日本食レストランは利用しないね。



『導かれし者たち』

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