とにかく、よくわかったのは、
あの「和食レストランがあります」と書かれた安宿の主人は、
「不正を働いてでも儲けたいタイプの商売人」だと言うことさ。
僕は、彼とは極力ツルまないようにした。
その日はもう、のんびりと、近場の散歩に費やした。
翌日は、一大観光日となった!
なにしろ、
ルクソールという街の名前は、
エジプトでも有数の、神殿遺跡の名前でもあるのさ♪
僕はまず、午前中に、
少し郊外に出たところにある、ルクソール神殿に向かった。
たいていの人はバスで行くだろうけれど、
僕は、宿の近くでレンタサイクルを借りて、自転車で行ってみた。
自転車だと、30分くらいも掛かる。
迷子になったら、もーーっと掛かるだろうなぁ(笑)
けれども、
ルクソール郊外の町並みを観察して、写真を撮って、
ジモティと会話したりするのは、それなりに面白かったよ♪
ルクソール神殿は、スゴい!!!
「これぞ遺跡の中の遺跡だ!!」
と表現してイイくらい、ハイレベルな遺跡だった!!!
敷地がとても広くて、
神殿の各施設建築物は、かなり複雑に入り組んでいた。
こういう特色を持つ遺跡のことを、僕は、
「ダンジョン度が高い」と表現してるよ♪
RPGに出てくる迷宮ダンジョンを、実写で探検してるようなキブンに、
させてくれる遺跡なのさ♪
ルクソール神殿の最大の特色は、
一つ一つのモチーフが、とにかく、巨大なんだ!
神殿の支柱が、何百本もカタチを残して並んだ部屋があるんだけど、
支柱のデカさがハンパなくて、圧倒されてしまう!!
「巨人たちの住む神殿だったんじゃなかろうか…」
と、来訪者の誰もが、思うんじゃないかなぁ。
…実は、
その予感は、まんざらハズレてもいないようだよ♪
科学的な学説ではナイから、
科学崇拝の読者諸君は、読み飛ばしてくれてカマワナイけれど、
古代エジプトには、
身長の3~5メートルもある人間たちが、暮らしていたらしい…!!!
そんなことも想像したりしながら、散策してみたらいいよ。
ルクソール神殿は、
中に食べ物屋がナイから、長時間滞在が難しいだろうけれど、
2~3時間では回りきれないから、
出来ることなら、丸一日ココの観光に費やす計算で、
予定を組んでみるとイイよ♪
菓子パンなんか、買い込んできてさ?
昼過ぎに、ルクソール街の中心地に戻ってきたよ。
なんと、
ルクソール神殿と双璧を為す、カルナック神殿遺跡が、
ルクソールの中心街に、どかどかと横たわっているのさ!!
カルナック神殿は、
タイプ的には、ルクソール神殿とよく似ているよ。
あんまり遺跡に興味のナイ旅行者であれば、
ルクソールを見てしまったら、カルナックはパスしてもイイかもしんないなぁ。
一つ、ルクソール神殿と大きく違う個性は、
「川のすぐそばに佇んでる」ってことだろう。
夕暮れ時には、
神殿の敷地の中から、
川の向こうに沈んでいく真っ赤な夕陽を拝むことが出来るよ♪
…そうそう!忘れるトコだった!!
カルナックやルクソールなどの神殿遺跡を散策するときは、
そこらじゅうに彫られてる壁画にも、注目するとイイよ♪
戦いの様子や、縄で縛られた奴隷の様子なんかが多いけど、
よくよく見てみると、ユーモラスなのや、エロいのも、あるんだ(笑)
手を繋いだ男女が、「はい、あーん♪」って、
何か食べさせているシーンであるとか、
あきらかに大き過ぎるおちんちんを、誇らしげに掲げる男たちの列とか…
珍しい、オモシロイ壁画を見つけたら、
写真に収めて、友だちに見せびらかしちゃおうぜ♪
19時くらいには、宿に戻った。
一日歩き通しで、もうクタクタさ!!
今夜こそは、屋上の和食レストランとやらで、
食事をしてみることにしたよ。
いやー、久しぶりの和食だなぁ♪
…と、ワクワクしながら、
カツ丼と味噌汁を注文したんだけど…
どっちも、ヒドい味だったなー!!!
カツ丼「ぽい」食い物と、味噌汁「ぽい」食い物だけど、
決定的に、それらとは違ったよ(笑)
ココのシェフとやらは、
「ダシを取る」という概念を、知らないようだなぁ…
カツ丼も味噌汁も、
僕は、完食することが出来なかったよ…
海外の日本食レストランってのは、
ココほどでないにしても、当たり外れがあるよ。
高級料亭みたいなとこならまず間違いなく美味しいけど、
庶民的な店の場合、玉石混交だね。
メニューに「クリーミーコロッケ」と書いてあるのに、普通のコロッケ出てきたりするしね(笑)
庶民的な店のカツ丼程度でも、ローカルフードの3倍くらいの値段がするから、
僕はあんまり、日本食レストランは利用しないね。
『導かれし者たち』