カイロに戻ったこの日は、
手続きに追われることになった。
まずは、
アエロフロート航空のカイロ支店を探して、
そこで、帰りの航空券の日付の変更手続きを行ったんだ。
(今となっては日付変更なんてネットでカンタンに行えるけど、
当時はそうでもなかったんだよ。)
手続き自体は、他愛ないモノだったけど、
アエロフロートのオフィスを見つけるのが、
けっこうな骨折り作業だった!!
ガイドブックの地図だと、曖昧過ぎて、探すのが難しいんだよ…。
しかも、ロシアの航空会社であるアエロフロートのオフィスなんて、
ジモティに聞いても、誰一人、知っていやぁしないんだよね(笑)
「エアプレインのオフィスなんだけどさぁ」
なんて質問しようモンなら、
他の航空会社や代理店を、案内されちゃう始末だし…(笑)
…それにしても、
たった10分やそこら、パソコン上の日付をいじくるだけで、
「手数料10,000円です」って言えちゃうんだから、
航空会社ってのは、儲かるワケだよ!
サービス業ってのはさ、
「時間を売る」っていうような商売だけどさ?
それにしたって、
10分1,000円でも「殿様商売」と言えるのに、
10分10,000円だからねぇ!
ヤツらの時間感覚は、
風俗嬢のお姉ちゃん以上に、ゴーマンだよなぁ(笑)
その後は、
ビザ・オフィスが集合するような場所に、行ってきた。
これは、
僕が帰りの便を延期したことによって、中東の各国に出入りすることになったから、
そのために必要な手続きだったんだ。
…ビザってわかる?
ビザってのは、入国許可証みたいなモンなんだけどさ、
入国する際にカンタンに取得できちゃう国もあれば、
事前に大使館とか行って書類提出しなきゃならない国も、あるんだよ。
3日も1週間も待たされることあるしね。
書類は英語で難しいし、けっこう煩わしいんだ。
料金も、取る国はけっこう取るしね。
だいたい30ドルくらいが相場だけど、
インドとか、7,000円くらい取るんじゃないかな。
それこそ航空会社と同じでさ、
海外旅行したがる金持ちから、いくらでもぶんどるつもりなんだよ!どうも。
日本の1/10の物価の国で、10分かそこらの手続きに7,000円だよ?
そりゃつまり、7万円取ってるのと同じことだからね(笑)
殿様商売にもほどがあるさ。
まず、
エジプトに再入国するためのビザは、
大して苦労もせずに、取れたよ♪
けれども、
シリアに入国するためのビザが、上手く取れない!
ココで手続きをしたら、
「4日後に再び、取りに来てください」
って言うんだ。
…まぁ、ガイドブックに記載されてる通りでは、あるんだけど…
僕は、あと4日もカイロでノンビリしてる余裕は、ナイ…
「どうにかならないかなぁ!?」
って更に押してみたけど、
おっぱいの大きな、肝っ玉母ちゃんみたいなスタッフは、
「残念だけど、どうにもならないわ」
と、肩をすくめ続けてた。
ガイドブックには、「奥の手」が書かれていた。
「カイロでビザが取れない場合は、
強引にシリアの国境まで行ってしまえ!」
というものだった。
「そこで粘り強く交渉すれば、
日本人ならなんとか通してくれるだろう」
といった、文字通り、「チカラ技」だった(笑)
僕は、この「裏技」に望みを掛けて、
シリアのビザ取得は、ココでは諦めた。
その後は、
土産物屋を覗いたりして時間を潰すと、
夜にはネットカフェに行って、ダニーにメールをした。
「無事に帰ってきたよ♪
ギザのピラミッドは、入場者数の制限があるそうだから、
明日朝7時に、タフリール広場のケンタッ○ー前集合で、OKかな?
夜のうちに返信が無ければ、
そのまま、7時に待ってるよ♪」
とまぁ、こんな内容だよ。
ネカフェでミクシィや何かをやってるうちに、
ダニーから返信が来ていた!
彼からの返信には、
滞在している場所の都合から、
朝7時の待ち合わせは不可能だというものだった。
「8時にケンタッ○ーでイイかい?」
という申し出だったので、
「OK♪」と返して、ネカフェを後にした。
『導かれし者たち』