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エピソード29

8時45分。

僕がこの待ち合わせ場所に来てから、ぴったり1時間経って、

ようやくダニーは現れた!!

彼は、走って駆け寄ることもせず、

大幅な遅刻を気まずく思うような表情も、していなかった(笑)

僕は、「ダニー!!」と叫んで彼に抱きつき、

1週間ぶりの再会を喜ぶと、

45分間ものチコクなんて、すでにどーでもよくなっていた(笑)


僕らは、メトロとバスを乗り継いで、

ギザのピラミッドを目指した。

ギザのピラミッドに到着したのは、10時半頃だっただろうか。



…当初、僕が、

「7時の集合」を提案していたのは、覚えてるかい?

なぜかというと、

ピラミッド群の中でも最も古く、人々の注目を集めている「クフ王のピラミッド」には、

「午前200人、午後200人」

という、厳しい入場制限があるからなんだ。

噂によると、

みんな、8時には到着して、並び始めるらしい。

すると、7時には出発する必要が、あるだろう?

ダニーは、

「旅程の関係上、7時は無理だ」と言っていたから、

「まぁ、どうにかなるだろう」と踏んで、

8時の集合でヨシということにしたんだ。



…でも、45分のオーバーは、

さすがに計算外だったよ(笑)

案の定、

僕らが到着した頃には、

午前の分の受付は、すでに定員に達しちゃってたよ!!

そして、午後の受付は、

13時から始めるということだった。

13時までは、まだ2時間以上もあったから、

僕らは、「クフ王のピラミッド」以外の場所を、 先に観光しておくことにしたよ。



『導かれし者たち』

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