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エピソード3

…おかしいなぁ…?


僕は、「ひげマリオ」に、

「タフリール広場まで乗せてくれ」と告げたハズだった。

ガイドブックによると、

空港からタフリール広場までは、タクシーなら20分ほどらしい。


…20分走っても、

タフリール広場に着かないどころか、

真っ暗な住宅街を走っている…

やがて、車は、停まった。

タフリール広場!?

…じゃない!!

ただの、民家の前だ…(笑)

僕の次に乗り込んだ、恰幅のイイおじさんが、

そこで降りていった。

トーゼン、「ひげマリオ」は、運賃を受け取っていた…


次に、

更に10分ほど走って、

郊外の中規模ホテルの前で、車が停まった。

2人連れの男性たちが、降りていった。

トーゼン、「ひげマリオ」は、運賃を受け取っていた…


そこから更に、10分ほど走って、

よーーーーーうやく、タフリール広場に到着した!!

トーゼン僕は、約束通り、5ドルを支払った…



…トーゼン…??

コレは、「トーゼン」なのか…!?



よーぉく、考えてみよう。

みんなも一緒に、考えてみようね?

まず、

「タクシーの意義」って、ナンだ??

「高いお金を支払う代わりに、

 車内は貸切だからくつろぐことが出来て、

 更に、目的地まで一直線で運んでくれる」

まぁ、そんなトコだよね?

でも、コレは、

あくまで、「日本人にとっての常識」に、過ぎないんだよ(笑)


…僕は今回、

「タクシー!」という自己紹介に呼応して、彼に着いていったよね?

でも、

僕が乗り込んでも発車はせず、10分も待たされ、

しかも、他の見ず知らずのお客が乗り込んできて、

しかも、ギュウギュウ詰めで座らされる…

それだけじゃなく、

本来20分で到着出来るハズの場所に、

幾つもの寄り道をした挙句に、30分以上掛かって、

よーーーーーうやく、到着する(笑)

更に!しかも!

一番最初に乗り込んだ僕が、一番後回しなのだ!

何の説明も受けず、何の謝罪もされずに!!


…日本だったら、

悪徳会社として、連日あらゆるメディアを賑わせるであろう状況だけど、

発展途上の各国では、

こういうのが、「アタリマエ」なんだよ(笑)


バックパッカーたちは、

こういう状況に対して、

イチイチ文句を言ったりは、しないのさ。

「笑い飛ばしてしまう、懐の広さ」を、持っているんだよ♪



『導かれし者たち』

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