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エピソード37

翌日も、昼下がりまで宿に居た。

宿に居た日本人の女の子と、ずいぶんと話し込んだよ。


彼女は、僕より2つばかし年上で、

ボランティアで、

アフリカのタンザニアかどっかで、長期滞在していたらしい。

そのボランティア期間を終えて、

3ヶ月ほど、アフリカや中東を旅するらしかった。


彼女は、面白いハナシをしてくれた!

NPOとかNGOとか、

「非営利です!」と掲げて、奉仕的な業務を扱って、

みんなからの募金や税金で食べる人たちも、多いよね?

彼らの中には、

「NPO法人」という印籠を濫用して、

大衆から受け取ったお金を、

恵まれない子どもたちや病人たちには回さずに、

「経費」の名目で自分たちで貪ってしまう輩が、多いんだと言う…


たとえば、

その彼女が…仮名・ユミさんにしとこう…

ボランティア中に割り当てられた住居は、

衛生状態がサイアクの、震災の仮説住居をもっとヒドくしたような、

劣悪な環境だったらしい。

けれども、

そうしたボランティア・スタッフを統括する上層部たちのオフィスは、

鉄筋コンクリで、エアコンが涼しくて、日本製の大きなテレビやパソコンが、

誇らしげに幅を利かせていたりするんだよ!!

…いったい、

その日本製のテレビやパソコンを買ったお金で、

何千本のワクチンが打てたんだろう?

何十人のボランティア・スタッフに、マトモな住居を提供出来たんだろう?


ユミさんは、

「崇高なるボランティア事業」のお粗末な実態を、まざまざと見せ付けられて、

失望・落胆してしまって、考え方を改めたらしい。

「もう、ボランティアなんて、やらない!!」

…そう投げ出してしまうと、思うだろう??


違うんだよ!!

彼女がスゴいのは、ココからなんだ!!!


ユミさんは、

「ボランティア活動は、まだまだ続けたい」と、力強く言うんだ。

「…けれど、私は、

 ユニセフとかNPO法人とか、

 そういう『大きな団体』には、頼らないことにしたの。」


僕は、感動のあまり、泣いてしまいそうになったよ!!!

…ボランティアで海外に赴いたヒトなら、何人も知ってる。

けれども、

ユミさんほど、「世界の真実を見抜く洞察力」があって、

「他人のせいにしたり攻撃したりしない、慈悲のココロ」があって、

「なんでも自分でやってしまおうとする自立心」のあるヒトは、

初めてお目に掛かったよ!!!


…実は、

僕は元々、ボランティア団体を名乗るヒトたちのずさんな実態を、

知ってはいたんだ(笑)

けれども、

「ナマの報告」を耳にしたのは、コレが初めてのことだった。

僕は、募金活動を行う際に、

「『実際には』何のために使われるかわからない、無責任な募金箱」

には、無闇にお金を投じない。

自分が、この目で見て、

「このヒトならお金を有効活用するだろう」と感じるヒトに、直接、

お金やモノを渡すよ。

若しくは、

自分で、公共的な使われ方をしてもらえそうなモノを、

作ったり買ったり、するよ。

そうすれば、

「『NPO法人』という印籠を濫用する悪魔たち」に、

加担してしまうことが無くなるからさ♪


…実際のところ、

「NPO」や「NGO」を掲げていても、

本当に純粋な志からプロジェクトに取り組んでいるヒトなんて、

そのうちの10%も居ないよ(笑)

「本当に、奉仕活動を行いたいヒト」ってさ?

誰も知らない、誰も見てないところで、

コッソリ、やってんのさ♪

ユミさんみたいに、さ。



『導かれし者たち』

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