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エピソード38

ユミさんは、

ひとしきり話題が尽きると、「出掛けてくる」と言い出した。

加えて、

「今夜8時に、ハーン・ハリーリのそばで、

 無料の音楽コンサートがあるらしいんだけど、一緒にどう?」

と、誘ってくれた♪

丁度、僕も、

ハーン・ハリーリを覗いてこようと思ってたから、

とても好都合だった♪

僕らは、8時に現地で待ち合わせることにした。


…ちなみに、

「ハーン・ハリーリ」っていうのは、

商業国エジプトでも最大級を誇る、巨大市場なんだ。

…市場って、

魚や野菜ばっかりの市場とは、違うよ?

日用品から貴金属までなーーーーーーんでも揃う、マーケットだよ♪



僕は僕で、すぐに出発した。

ハーン・ハリーリへは、

タフリール広場の近くのバス・ターミナルから、

バスで行かなければならなかった。

まず、

バス停を見つけるまでに、やたら苦労した(笑)

道行くヒトに幾ら尋ねても、

テキトーなことばっかり言われて、「たらい回し」にしか、ならなかった(笑)


…というのも、

…今まで言語のハナシをしてこなかったけど…

エジプトってのは、コテッコテの「アラビア語圏」なんだよ!!

彼らは、どっちかって言えば、アメリカや西洋を敵対視しているようなフシがあるから、

一般ピープルたちは…警官であっても…、

英語のからっきしダメなヒトが、多いんだ!!

すると、

「バス・ターミナル」って言葉を使っても、

勝手なカンチガイをして、ワケのワカンナイ場所に誘導されちゃうワケさ(笑)

本来ならものの10分で到着するハズの場所に、30分以上も掛かったよ(笑)


…んで、

バス・ターミナルに到着しても、

僕の苦難は終わらない…!!

エジプトのバスや、バス停の番号案内やなんかは、

ぜーーーーーーーーんぶ「アラビア数字」で書かれてるんだ(笑)

…アラビア数字、知ってる?

ローマ数字(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ…)とは、違うよ??

パソコンで変換しようとしても、出てこないから、

ウィキペディアかなんかで、調べてみておくれ(笑)

…とりあえず、

ゼロ~キュウまでの「十進法」であることには、変わりはナイんだけど、

その数字が、

僕らが馴染んでいる数字記号とは全く異なるカタチなモンだから、

動き回るバスを凝視して、乗りたい行き先の数字を見定めるのが、

ものスンゴい、難しいのさ!!!

…しかも…

ガイドブックには4桁の数字が記載されてるんだけど、

困ったことに、バスの車体には、

前方と側面とで全く違う4桁数字が、書かれているのさ(笑)

一体、何の嫌がらせかと思ったよ!!(笑)


チケット・カウンターのおっちゃんとかに、ガイドブックを見せながら、

「ココに行きたいんだけど?」なんて言ってみるんだけど、

「あっちだ!」

とか、そんなテキトーなことしか、教えてくれない…(笑)

んで、

そのおっちゃんの言う「あっち」の方向に歩いてみて、

そこでまた、

ジモティの紳士にガイドブックを見せながら尋ねると、

「それは、向こうじゃよ」

とか、ニコニコしながら言われちゃうんだよ(笑)

…結局、

30分以上もバス停をウロウロし続けて、

ようやく、ハーン・ハリーリ方面のバスに、乗ることが出来た…!!



…とまぁ、そういうワケで、

アラビア語圏の国々っていうのは、

東南アジアやなんかと比べて、

「放浪」の難易度が、一段階グレード・アップするよ!

東南アジアは、

英語がカタコトにでも理解出来れば、なんとかなるからねぇ。

ただ、

セレブたちの行う「旅行」なのであれば、

アラビア語やアラビア数字しか書かれていない場所にはほとんど訪れないから、

大して苦戦することも、ナイだろうなぁ。


「言語のカベ」に加えて、

「商業者たちのしつこさ」も、東南アジアより一枚上手だから、

初めての海外「放浪」にエジプト辺りを選ぶと、

そうとう堪えるだろうねぇ…!!



『導かれし者たち』

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