エピソード50
鉱山からの帰り道。見たことのない魔物が現れた!
デンタザウルスの群れだ。岩のようにゴツゴツとした、トゲトゲとした魔物だ。
デ「ほら。こういうヤツには剣より《モーニングスター》が向くだろ」
れいは「私の出番だ!」と察して颯爽と飛び掛かった!
ゴツン!しかしあまり手ごたえはない・・・
れいはひるんだ。
デンタザウルスが反撃の突進をしてきた。れいは身をかわしてかすり傷に留める。
デイジーは、なんと剣をさやに納めた。
れ「え!?」
デ「《ホイポイ》」そう小声でつぶやくと、《グレートハンマー》なる重厚な武器を取り出した。
そして素早く間合いを詰めて、手首のスナップをしなやかに利かせながらデンタザウルスを殴りつけた!
なんと、一撃だ!!
2匹目、3匹目と次々と葬り去っていく。
ぽかーん。れいは呆気にとられた。
れ「ちょっとそのハンマー、持たせてもらってもいい?」
デ「あぁ」デイジーはひょいと武器を手渡した。
ズシっ!
「お、重い!」なんとか持てるが、振り上げただけでよたついてしまう。
れいは剣を振り回す日々の中でそこそこ腕力が付いてきたと思っていたが、このハンマーをしなやかな手首のスナップで振り下ろす人はまるで次元が違うことを察し、ゾっとした。
れ「あなた、強いの!?」
デ「まぁな」
私が思っている以上にこの人は強いのかもしれない、とれいは気付いた
自慢など好まないデイジーは、トーンを抑えながら言った。
デ「オレはよく剣士と呼ばれるが、実際は剣士というよりは戦士だ。
剣だけでなく槍もオノもハンマーも、弓もムチも、一通り何でも使いこなす。
細身剣が一番好きだから、普段は細身剣を持っているだけ」
れ「すごい!どこかで戦闘の訓練を受けてきたの?」
デ「戦闘の訓練も受けたは受けたが、習ったのは剣と槍くらいだな。
それ以外はほとんど独学だ。魔物と対峙しながら」
れ「すごい・・・!」
デ「女が、一人で、野郎と肩を並べるにはどうしたらいい?
男よりも鍛錬するしかない。奴らが酒場で飲んだくれてる間、オレは武器を振るった」
れ「ものすごい努力家なのね・・・!」
デ「いや、肩を並べるだけならそう大変でもなかった。
知ってるか?
女が本気で運動をするなら、男女の筋力差など1割程度しかないらしい。
それなのに女たちは、『女にハンマーなんて振るえるわけがない』と思い込んでいる。
その思い込みに屈しなければ、女とてかなり強くなる。そして工夫や努力を重ねるなら、総合力では男の戦士を上回ることさえ出来る」
Yorumlar