エピソード62
なおも歩く。すると、また分かれ道に出会う。
セーニャは目を凝らす。
セ「また宝箱だわ!
え?右も左も両方とも!」
なんと、右の道にも左の道にも宝箱が待ち構えているではないか。
セーニャは咄嗟に駆けだしそうになったが、ぐっとこらえた。罠かも?何かヒントや警告はないか?
辺りを見渡すと、やはりまた石板がある。
セ「よくばる・・と・・・あくまに・・・ねらわれ・・ます」
セ「でも、どっちの道も宝箱よ!」
セーニャは再び道の先に目を凝らす。少し近づいてみる。左の道には宝箱が3つ。右の道には宝箱が1つ。
セ「欲張ってはだめ。そうよね」
セーニャは宝箱が1つしかない右の道を選んだ。その宝箱を開けてみる。
なんと、空っぽだ!
セ「なんだ。こっちははずれだわ。やっぱり向こうでいいのかしら」
セーニャはじっと立ち止まる。何かヒントはないか?
周りを見渡す。何もない。
じーっと耳を澄ませてみる。
・・・・・・。
おや?
カタカタ。カタカタ。
何か音がする。
どこから聞こえるのだ?セーニャはじっと耳を澄ます。
うむむ。どうやら左の道の宝箱の中だ。
セ「宝箱の中に魔物がいるのかも!」やっぱり欲張ってはだめだ!
そして、この洞窟にはやはり魔物がいる可能性がある。宝箱を開けなくとも、だ。
セ「でも、どうすればいいのよ?」左の道の先には行きたくないぞ。
セーニャはこちらの宝箱の中をもう一度見た。何もない。
・・・・・・。
今度は宝箱持ち上げてみた。
おぉ!
宝箱の下にはまた赤い宝石が埋め込まれていた!
セ「これを触るんだわ」セーニャは恐る恐る宝石に触れる。
すると
ゴゴゴゴゴ・・・!
また目の前の壁が動きだした!
この宝箱はご褒美ではなく、先に進むためのカラクリ装置だったのだ。
・・・ゴゴゴ
よし。上手くいっているぞ。と微笑みかけたその瞬間!
なんと扉の先からキーキーと複数のコウモリが飛び掛かってきた!
セ「キャー!!」セーニャは驚きおののく!
コウモリは、酸素を得た囚人のように駆け抜けていった・・・
セ「ふう。やりすごせたわ」
と思ったのも束の間!
キキキキー!!
なんとコウモリたちはこちらに戻ってきた!
今度はセーニャのそばを通り抜けるだけでない!どうやら攻撃してきている!
コウモリの正体はドラキーだった!
セ「これは!貝塚に行くときに見たことがあるわ。動物じゃなくて魔物だ!」
戦わなくては!