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エピソード74 『天空の城』

エピソード74


れ「神父さん、戦うことは出来るのですか?一番得意な魔法は何ですか?」

神「バ、《バギ》です・・・。《ホイミ》も使えますが」

攻撃能力は極めて弱いな。ともに旅する、ではなくれいが守りながら戦う必要がある。

れ「どうしよう・・・」

神「私は神父。

 あなたは女性だ。私はあなたに、指の1つも触れません」

れいが戸惑っていたのはそういう問題ではないのだが、たしかにそれも重要だ。

そして、さらに懸案事項が浮かんできた。

れ「神父さんが旅立ってしまったら、この教会はどうなさるのですか?」

神「そ、それは・・・」

シ「わかりました。ヒック。わかりました神父様! 

 わ、私・・・私が・・・ヒック」

シスターは目に涙を浮かべ始めた。

シ「神父様!私はあなたの人生を助けとうございます。

 神父様がどうしても旅立つとおっしゃるなら・・・

 その間、この教会は私が守ります!」

神「シスター・イザベラ!良いのかい!?」

シ「あ・・・あ・・・、いえ・・・

 あなたのために・・・私・・・あなたをお見送りいたします!!」

れいはそれを聞いて観念した。

れ「わかりました。やってみましょう」

神「よろしいのですか!?

 お礼を、差し上げたい所存です。

 あなたに《ベホイミ》の魔法を伝授する、というのはいかがでしょうか?

 《ホイミ》よりも強力な回復魔法です。

 成功報酬ではありません。旅立ちの前にイニシエートして差し上げましょう」

《ベホイミ》を伝授してもらえる!?それは魅力的だ。

神父は早速、《ベホイミ》の魔法をれいに伝授した。



れ「あのう、旅立ちの前に、まずは外に出て少し戦闘を重ねませんか?

 どの程度戦えるのか様子を見ないと・・・」

神父だけでなく、れい自身もこのエリアでどれくらい通用するのか様子を見なければならないのだが、それは口にしなかった。少々虚勢を張ったわけだが、悪くはないのだろう。今この神父の前で、自信がない素振りを見せるべきではない気がする。

神「そうですね。わかりました。

 申し遅れましたが、私はセレンといいます」


2人は町の外に出た。

町から少し離れ、荒野を徘徊する。

魔物が襲いかかってきた!

てつのさそりが4匹現れた!

れいは《ヒャダルコ》を唱えた!魔物たちはダメージを受けるが足止めにはならない。

てつのさそりCの反撃!セレンに襲い掛かってきた。

れいはかばいに入る。れいがダメージを受ける!

セ「あわわ!すみません!」

セレンよりもてつのさそりたちのほうが素早い。てつのさそりBは鋭いハサミでれいに襲い掛かってきた。れいは素早く身をかわす。

てつのさそりDはれいに向かってハサミを振りかざす!

れ「くっ!」上手く盾で刃をいなすが、衝撃のダメージを受ける。

てつのさそりAはセレンに突進してきた!れいはかばいに入れない。

ドシン!セレンは派手に押し倒される。

セ「ぐはぁ!」

れ「セレン!」

セ「はぁ、はあ、なんとか大丈夫!

 れいさん!おそらく私をかばわなくても結構です!

 《スクルト》!」セレンは《スクルト》の魔法を唱えた。2人の守備力が上がった!

れ「それは《スカラ》の魔法と同じね!?」

れいは安心して攻撃に転じる。再び《ヒャダルコ》を唱え、見事てつのさそりの群れをやっつけた。


《ヒャダルコ》を2発要するということは、やはりこの辺りの魔物は手強い。剣でチクチク削っている場合ではなく、大きな魔法で効率よく攻撃していかねばならなそうだ。しかしセレンを放ってはおけないし・・・

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