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第47章 ラーミア

第47章 ラーミア


村の奥には大きな木があった。

そしてその木陰の下には、噂の大きな鳥が静かに佇んでいるのだった。体長5mもあろうかという大きな、白い、凛々しい鳥だ。横には世話人の男がいた。

男「たった今目を覚ましたんですよ。あなた方がこの村に来たときに」

リ「話しかけてもいい、ってことでしょうか?」

男「おそらく」ニコッと微笑んだ。

しかしリオが話しかける前に、神鳥は口を開いた。

鳥「ごきげんよう旅の人。

 私は、ラーミアといいます。

 『神鳥』と皆は呼びますが、私は神ではありません。鳥です」

リ「昔、勇者を背中に乗せて運んだのですね?」

ラ「そういうこともありました。何度か。

 勇気ある者が己の限界を超えて何かを為そうとする、その手助けをするのが私の役目です」

マ「あなたの背中に乗って、空を飛びたいんです!」

リ「こら!マナ!」

ラ「はっはっは!人間が皆そう思うことは、承知しています。

 しかし、私は無用には空を飛びません。

 あなた方をどこに乗せていけばよいのでしょう?見当もつきません」

リ「でも、あの、魔王の城とか…」

ラ「今すでにあなた方は、魔王と戦う準備が整っているのですか?」

リ「いや、そうは思えません!」

ラ「ではただの遊覧飛行になってしまいます」

リ「ご、ごめんなさい(汗)」

ラ「いえ、良いのですよ。

 ………。

 …また会うことが、あるかもしれませんね」

ラーミアは遠い目をしてささやいた。


二人は丁重にその場を立ち去った。

マ「また会えるかもって言ってたよ?」

リ「そうね。まったく眼中にナシって感じでもなかったわ」

マ「フルーツとか持ってきてあげたらいいのかな?」

リ「それはアンタでしょ!

 とりあえず宿屋に泊まって、次のこと考えましょ」

二人は村の入口の宿屋まで戻った。

リ「宿屋…!

 そうだわ!あの吟遊詩人さん!

 マナ、1泊休んだらカボチ村に戻りましょう!」



『僧侶だけで魔王を倒すには?』

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