第60章 キラーマシン
リ「シスター!『体勢を立て直せ』の意味がわかりました!
回復をするだけじゃだめなのね。
面倒くさくて受け入れたくないけど、またレベル上げが必要だわ」
シ「そうだと思われます。
レベルのアップだけでなく、何か強力な特技の習得も必要かもしれません。
ちなみに、裏の《旅の扉》に飛び込めばスタンシアラ城のそばに戻ることが可能です」
マ「どうする?
スタンシアラに戻って《はぐれメタル》いっぱい倒してくる?」
リ「それも考えたわ。
でも、レベルを5つ上げてもタブンあの集団には勝てない。
思いがけない何かを手にしなくちゃ」
マ「どうすればいいの?」
リ「これは何の確証もないけれど…」
マ「うん?」
リ「あの洞窟にいた《キラーマシン》ってね、ドラクエでは名物なモンスターなの。
55でもすっごい強さを与えられてるけど、それだけじゃないと思うのよね」
マ「どういうこと?」
リ「たとえばよ? たとえば、《キラーマシン》ばっかり何百体も倒し続けたら…」
マ「何かのスキルや特性が手に入る!?」
リ「そう!かもしれないわ!!」
二人はそれに賭けてみた。なにしろスタンシアラの最強の武器や防具はもう手に入れた。レベル上げにも限界がある。すると隠されたスキルや特性を探す以外に、大幅な戦力強化は見込めないのだ。
スタンシアラに下ったほうが安全だが、二人はロンダルキアの洞窟の最上階で《キラーマシン》と戦い続けることを選択した。
《稲妻の剣》の《ギガデイン》を撃てるようになったことで局面はずいぶん楽になったが、それでもちょっと油断すると壊滅させられる難敵には変わりなかった。時々やつらに先手を取られては、瀕死に陥って逃げ帰ってくるのだった。
レベルもさらに2つ上がった頃、《キラーマシン》の討伐数が1000を超えた。
テッテレー♪
待ちわびたファンファーレが鳴り響く!
『リオは特性《2回行動》を獲得した!
マナは特性《2回行動》を獲得した!』
マ・リ「やったぁ!!」
マ「《あくましんかん》みたいになっちゃったぁ♪」
リ「ちょっとその言い方はヤメて(汗)」
二人は一目散に祠へと戻った。
リ「シスター! アタシたち、『2回行動』の特性をゲットしました♪」
シ「もはや…人間を超えてしまったかもしれません…!」
マ「えへへへへ~」
シ「行ってみるのもよいでしょう。世界樹のように見える場所へ」
二人は再び、吹雪の向こうにそびえる世界樹を目指した。
雪山に徘徊するモンスターは強かったが、高めたすばやさから先制攻撃する《ギガデイン》2発と《バギクロス》や《マヒャド》の連発に、ほとんどの魔物は屈するのだった。
ただし、MPの消耗が速いという欠点はある。そのデメリットに気づくとリオは、「戦えはするがなるべく逃げる」という選択をするのだった。
『僧侶だけで魔王を倒すには?』